攻撃の流れが途切れる瞬間が増えたトッテナムにとって、前線の補強は避けて通れないテーマになっている。2025/26シーズンの折り返しを迎えた今、クラブはマンチェスター・シティのエジプト代表FWオマル・マルムシュに照準を合わせ、1月の移籍市場での獲得を本格的に検討していると江英『TEAMtalk』が報じた。
マルムシュは2024/25シーズンにアイントラハト・フランクフルトからシティへ加入したが、ペップ・グアルディオラの下ではプレミアリーグでの先発が限られ、出場時間は伸び悩んでいる。とはいえ、シティ内部では放出に慎重な声も残っており、トッテナムがどの条件で交渉の扉を開くかが焦点になる。ローン移籍+買取オプションという形が現実的とされ、クラブはその可能性を探っている。
トッテナムがオマル・マルムシュを求める理由
トッテナムの攻撃陣は数字上は一定の成果を残しているが、試合の流れを変える局面での迫力が不足している。特に左サイドの定位置争いは混迷が続き、フランクの求める流動性と強度を両立できる選手が見当たらない。左ウイングの不安定さは順位を押し下げる要因になっている。
クラブは当初、ボーンマスのアントワーヌ・セメンヨを最優先ターゲットとしていた。しかし、マンチェスター・ユナイテッドが猛プッシュしているが、マンチェスター・シティ行きが近づいており、トッテナムが競り勝つ可能性は消えた。
その結果、マルムシュが最重要ターゲットとして浮上。中央でもサイドでも機能し、推進力と柔軟性を兼ね備える。フランクの攻撃モデルは、前線の流動性と素早いトランジションを重視するため、マルムシュの特性はそのまま戦術的な強みになる。
さらに、彼は守備の切り替えでも手を抜かず、前線からの圧力を継続できる。トッテナムが抱える「強度の波」を抑え、試合全体のテンポを安定させる役割を担える点も評価されている。
オマル・マルムシュがトッテナムにもたらす戦術的価値
マルムシュの魅力は、スピードと柔軟性だけではない。フランクフルト時代には67試合で37ゴール20アシストという圧巻の数字を残し、ゴール前での判断力と勝負強さを示した。限られたチャンスを確実に仕留める能力は、今のトッテナムに欠けている要素。
フランクのシステムでは、前線の選手が相手の守備ラインを揺さぶり、スペースを生み出す動きが求められる。マルムシュはボールを受ける位置を自在に変え、縦への突破と内側への侵入を使い分ける。シャビ・シモンズルーカス・ベリヴァルらのパスを引き出す存在として期待される。
また、カウンター局面での推進力が際立つ。相手の背後を突く動きと足元でのキープ力を併せ持ち、攻撃の起点にもフィニッシャーにもなれる。フランクが求める前線の多機能性を満たす選手として、マルムシュは理想的な補強候補といえる。
トッテナムがマルムシュを攻撃の新たな軸として評価している。セメンヨを逃したクラブにとって、マルムシュはただの代替案ではなく、攻撃の再構築を進める上で中心に据えられる可能性が高い。
個人的な見解
マルムシュの獲得は、トッテナムの攻撃に新しいリズムをもたらすと感じている。彼の推進力と柔軟性は、フランクのスタイルに自然に溶け込み、前線のバランスを整える役割を果たすはず。リシャルリソンやドミニク・ソランケらフォワード陣が微妙な中、新たな攻撃の軸になり得る。
さらに、マルムシュは数字以上の存在感を持つタイプ。ブンデスリーガ時代ほどに派手なスタッツを残す選手ではないが、試合の流れを変える瞬間を作り出す力がある。フランクの下で役割が明確になれば、プレミアリーグで一段階上の存在へ進化する可能性も十分にある。
トッテナムが本気で前進したいなら、こうした「伸びしろのある即戦力」を逃すべきではない。1月の移籍市場で最も注目すべき動きのひとつになる。
