この夏の移籍市場が活発化する中、プレミアリーグのボーンマスは守備陣の再編に向けて具体的な動きを見せている。中でも注目を集めているのが、リールに所属するフランス人DFバフォデ・ディアキテの動向だ。
20歳のディーン・ホイセンがレアル・マドリードへ高額移籍し、さらにイリヤ・ザバルニーにはパリ・サンジェルマンが熱視線を送っている。こうした背景もあり、センターバックの補強は急務となっている。
そこで白羽の矢が立ったのが、リールで主力を務める24歳のディアキテ。プレースタイルはフィジカルと空中戦に優れ、今季のUEFAチャンピオンズリーグではレアル・マドリード、アトレティコ・マドリード、ボルシア・ドルトムントといった欧州の強豪相手にも堂々たるパフォーマンスを披露してきた。
さらに、4月11日に行われたヨーロッパカンファレンスリーグ準々決勝・アストン・ヴィラ戦では、空中戦での強さを改めて証明。映像にはリールの最終ラインで跳ね返す姿が映し出され、スカウトの評価も急上昇している。
しかし、交渉は一筋縄ではいかないようだ。フランスメディア『RMC Sport』によれば、リール側は最低でも移籍金3500万ユーロを要求しているという。ディアキテは2028年までの長期契約を結んでおり、リールとしても簡単に手放すつもりはない。
この強気な金額設定に、ボーンマスは獲得交渉の難航を余儀なくされている。資金面での調整が必要となる中、クラブはプランBに着手し始めたようだ。
代替案も水面下で進行中…ナントのゼゼとラツィオのギラが浮上
ディアキテに固執するばかりではない。ボーンマスは並行して代替候補の調査を進めており、ナントのナタン・ゼゼ、そしてラツィオのマリオ・ヒラの名が浮上していると報じられている。
ゼゼは20歳と若く、将来性を見込んだ投資として理にかなっている。一方、24歳のヒラは既に一定の経験を持ち、即戦力としての起用も視野に入る。特に後者は、リーガとセリエAという異なるスタイルのリーグでのプレー経験があり、プレミアリーグへの順応も期待できる。
ホイセンの穴をどう埋め、ザバルニーの動向にどう備えるか。ディアキテへのこだわりを貫くのか、柔軟に他のターゲットへ切り替えるのか。今後のボーンマスの判断が、来季のプレミアリーグでの成績に直結するかもしれない。