今夏の移籍市場で、新たな注目株として急浮上しているのが、オリンピック・リヨンに所属するジョージズ・ミカウタゼだ。2023-24シーズンにFCメスでリーグアン13得点を記録し、昨季はリヨンで47試合17ゴール11アシストを挙げ、ジョージア代表としてもEURO 2024で存在感を放ったこのストライカーは、多くのクラブの関心を集めてきた。
リヨンが財政面で深刻な問題を抱えていることが発覚。フランスの財務監督機関DNCG(Direction Nationale du Contrôle de Gestion)との交渉のなかで、クラブはトップリーグでの地位を維持するため、速やかに資金を確保する必要に迫られている。こうした状況を背景に、昨夏メスから約1850万ユーロで獲得したミカウタゼを、わずか1年で放出する可能性が急浮上している。
具体的な動きを見せているのは、イングランドとドイツのクラブたち。イングランドでは、サンダーランドが獲得に前向きな姿勢を示しており、スポーツディレクターのフローラン・ギゾルフィがミカウタゼのプロフィールに強い関心を示している。また、ノッティンガム・フォレストも状況を注目しており、今後の交渉次第ではプレミアリーグ移籍も十分にあり得るだろう。
一方、ブンデスリーガからはフランクフルトが興味を示している。ただし、同クラブは先に現有戦力の整理が必要と見られており、即決には至っていない。こうした競争のなかで、ミカウタゼ本人も次なるステップとしてプレミアリーグやブンデスリーガでのプレーを望んでいると報じられており、クラブ側と選手側の思惑が一致すれば、大きな動きが加速する可能性は高い。
移籍がもたらす経済効果とメスへの恩恵
仮にミカウタゼがこの夏に移籍することになれば、リヨンは2200万〜2500万ユーロの移籍金を得られると見込まれている。これは昨年支払った額を大きく上回る金額であり、クラブにとっては非常に重要なキャッシュフローとなる。
さらに見逃せないのが、FCメスがこの取引で得る恩恵だ。ミカウタゼを育てたメスは、育成補償金に加えて、リヨンとの移籍契約に含まれていた将来の転売益分配条項によって、今回の移籍金の一部を受け取ることになる。この追加収入は、来季リーグアン復帰を目指すメスにとっても大きな支えとなるはずだ。
2024年夏の移籍市場で繰り広げられるこの争奪戦は、単なる選手の動向にとどまらず、複数クラブの編成、そして財政事情にも影響を与える。キング・ジョージとも称されるミカウタゼはどのような決断を下すのか。