ラ・リーガの名門アトレティコ・マドリードが、この夏の移籍市場で守備陣の再構築に本腰を入れている。とりわけ、ディエゴ・シメオネ監督が求めるセンターバックの補強は、クラブの最優先課題とされており、欧州中の移籍市場関係者が注目するホットな話題となっている。
2024-25シーズンに向けて、アトレティコは果たして理想のディフェンスリーダーを迎え入れることができるのか。アルゼンチン代表のクリスティアン・ロメロと、レバークーゼンの若き守備職人ピエロ・インカピエの名が候補に挙がっている。
最有力候補として名前が浮上しているのが、トッテナム・ホットスパーに所属するアルゼンチン代表DFクリスティアン・ロメロ。ワールドカップ優勝経験を持ち、プレミアリーグでも確かな実績を積んできたロメロに対して、シメオネ監督はかねてから強い関心を示してきた。
『DSports』のインタビューにて、シメオネ監督は「クティ・ロメロが欲しいか?もちろんだ。彼は素晴らしい選手だ」と率直に語っており、今夏の獲得リストの最上位に位置づけられていることがうかがえる。
一方で、トッテナムは2022年にロメロを4250万ポンドで獲得しており、今回の移籍市場が最大のリターンを得る最後のチャンスと見ている節がある。そのため、交渉は金額面での障壁が予想される。
これを受けてアトレティコは、クリエイティブな取引手法を模索している。西『Marca』などの報道によれば、チェルシーのミッドフィールダー、コナー・ギャラガーを巻き込んだスワップディールの可能性が浮上。ギャラガー+金銭という形で、トッテナムを交渉のテーブルにつかせたいという狙いがあるようだ。
インカピエに切り替えか!?5000万ユーロでの交渉が進行中
ロメロの交渉が難航する中、アトレティコは新たな選択肢として、バイエル・レバークーゼンに所属するピエロ・インカピエの獲得に向けて動いている。独『Sky Deutschland』は、5000万ユーロに近い金額での取引が進行していると伝えており、すでに交渉は佳境に入っているとも報じられている。
エクアドル代表としても活躍するインカピエは、レバークーゼンの奇跡的な無敗シーズンを支えた立役者の一人。スピード、ポジショニング、対人守備において高水準を誇り、まだ22歳という年齢ながら、トップクラブでのプレーに必要な経験と資質を兼ね備えている。
ロメロとの比較では、即戦力としての完成度では劣るかもしれないが、将来性とマーケットバリューの点でクラブ財政との相性が良いことは間違いない。現時点での報道を見る限り、アトレティコはインカピエへの移行を本格的に検討していると考えてよさそうだ。
いずれにしても、クリスティアン・ロメロかピエロ・インカピエか。その選択は、アトレティコの今後数年の守備の安定を左右する重要な決断となる。この夏の移籍市場で、アトレティコ・マドリードがどのような一手を打つのか。