ポルトガル1部スポルティングCPで圧倒的な存在感を放つヴィクトル・ギェケレシュが、自ら給与の一部を放棄してでもアーセナル移籍を実現させたいと考えているようだ。スウェーデン代表FWのプレミアリーグ挑戦が、現実味を帯びてきた。
移籍市場が加熱する中、ギェケレシュに関しては以前から複数のクラブが関心を示していたと報じられているが、選手本人はアーセナル以外眼中にない姿勢を貫いてきた。ポルトガル紙『Record』によれば、ギェケレシュは約200万ユーロの年俸を自らカットする用意があるとされており、移籍実現への強い覚悟を示しているようだ。
通常、プロ選手にとって新天地への移籍は年俸アップやキャリアアップが前提となるが、今回のケースはその常識を覆すものだ。選手自身が金銭面での損失を受け入れてでも移籍を望むという行動は、並々ならぬ決意の表れである。
ギェケレシュの移籍先としてアーセナルが浮上している理由のひとつに、同クラブを率いるミケル・アルテタ監督のプロジェクトに対する共感があると見られている。プレミアリーグでのプレーを夢見てきたスウェーデン人ストライカーは、アルテタ体制の下でさらなる飛躍を狙う。
長年の課題に光明!アーセナルの9番問題を解決できるか
今夏の補強ポイントとしてセンターフォワードの強化が叫ばれていたアーセナルにとって、ギェケレシュの加入は理にかなったものとなる。ガブリエウ・ジェズスやカイ・ハヴァーツがこのポジションを務めてきたものの、いずれも本職ではないため、絶対的な得点源とはなり得ていないのが実情だ。
対するギェケレシュは、2023-24シーズンのスポルティングで公式戦50試合に出場し、実に43得点を記録するなど、欧州屈指の決定力を誇っている。フィジカルの強さ、ゴール前での冷静さ、高いプレス耐性を兼ね備えた彼の存在は、アルテタのハイテンポかつポゼッション志向の戦術にもフィットする可能性が高い。
すでに一部報道では、アーセナルとスポルティングの間で移籍金に関する交渉も進行中だと伝えられており、選手との個人合意も間近と見られており、移籍成立が時間の問題だと報じており、今後の動向が注目される。
サッカー界では珍しくなった“クラブ愛”や“挑戦への情熱”を体現するギェケレシュの決断は、単なる移籍の枠を超えた象徴的な出来事と言える。公式発表が待たれる中、彼がエミレーツ・スタジアムのピッチに立つ日もそう遠くはなさそうだ。