フリードキン・グループを新オーナーに迎えたエヴァートンが、今夏の移籍市場で静かに、しかし着実に戦力の刷新に乗り出している。クラブを再建するために呼び戻されたデイヴィッド・モイーズ監督のもと、名門復活に向けた第一歩として狙っているのが、ワールドカップ優勝経験を持つ左サイドバック、ニコラス・タグリアフィコだ。
西『Mundo Deportivo』によれば、元リヨン所属で現在フリーエージェントのタグリアフィコは、プレミアリーグ挑戦に強い関心を示しており、エヴァートン移籍が近づているようだ。すでに複数のプレミアクラブからもオファーが届いているが、本人の意思はモイーズ体制下のエヴァートンに傾いているようだ。
2022年カタールワールドカップでアルゼンチン代表の一員として世界一に輝いた実力者は、直近のリーグ・アンでも安定感あるパフォーマンスを披露しており、2024/25シーズンにはリヨンで22試合すべてに先発出場。
ベテランならではの読みと判断力、そしてフィジカルへの対応力は、若手主体のエヴァートン守備陣にとって貴重な存在になるだろう。左サイドではウクライナ代表ヴィタリ・ミコレンコが定位置を掴んでいるが、経験豊富なタグリアフィコの加入は、ポジション争いを活性化させると同時に、バックライン全体の底上げに直結する。
モイーズ再建プランが動き出す夏…中盤・前線でも着実に補強進行中
エヴァートンはすでにこの夏、昨シーズンにレンタル移籍でプレーしていたカルロス・アルカラスをフラメンゴから完全移籍で獲得。さらに、ビジャレアルに所属する20歳のストライカー、ティエルノ・バリーの獲得も合意に至ったと英各紙が伝えている。
守備陣に目を向ければ、ジャラッド・ブラントウェイトとマイケル・キーンの契約延長がすでに完了し、守備的MFイドリッサ・ゲイェとの契約延長も視野に入っている。
中盤強化の目玉として浮上しているのが、レスター・シティのウィルフレッド・エンディディだ。約500万ポンドでの獲得に向けて、マンチェスター・ユナイテッドとの競合が続いているという。新オーナーのもとで予算にも余裕が生まれ、エヴァートンは攻守両面でバランスの取れた補強を進めている。
特にプレミア残留を果たした2024/25シーズンを踏まえ、2025/26シーズンからは中位以上、さらにはヨーロッパ大会出場を狙う体制にシフトしていく構えだ。その鍵を握るのが、経験値と安定感を兼ね備えた選手の補強であり、タグリアフィコのような即戦力の獲得は、チームの次なるステージに向けた重要な一歩となる。
今後数日以内に正式発表があると見られており、実現すればモイーズ監督の構想が本格的に動き出すことになるだろう。