ラ・リーガで今季最も注目を集める若手守護神は、エスパニョールに所属する24歳のジョアン・ガルシアだ。その卓越したセービング能力と驚異的な反射神経は、リーガ・エスパニョーラを超えて欧州中のビッグクラブの注目を集めている。
今シーズンのラ・リーガでガルシアは最多セーブ数を記録。欧州全体でも、プレミアリーグのブレントフォードのマルク・フレッケンに次ぐセーブ数を誇る。この活躍は偶然ではなく、まさに実力の証明であり、夏の移籍市場で彼の名前が取り沙汰されるのも当然の結果だ。
その争奪戦で最も積極的な姿勢を見せているのが、イングランドの名門アーセナルとスペインの巨人バルセロナだ。両クラブはガルシアを次世代の守護神として高く評価し、獲得に向けて本格的に動き出している。
財政難のエスパニョール、売却不可避か?移籍金と交渉の行方
ガルシアの移籍が現実味を帯びる背景には、エスパニョールの切実な財政事情がある。報道によれば、クラブは6月末までに1500万ユーロ以上を確保する必要があり、主力選手の売却が不可欠な状況だ。
現在、ガルシアの契約解除金は2500万ユーロに設定されており、スペイン代表への招集や移籍市場の終盤には3000万ユーロまで上昇する可能性がある。ただし、エスパニョールの現状を考えると、「ディスカウント価格」での売却もやむを得ないだろう。
この状況は、アーセナルとバルセロナにとって絶好の機会となる。特にアーセナルは、市場価値以下での獲得を視野に入れながら交渉を進める構えだ。ペリコ(エスパニョールの愛称)にとって、ガルシアの放出は戦力的には痛手だが、経営面では避けられない選択となりそうだ。
現時点で獲得レースをリードするのは、プレミアリーグのアーセナルだ。ミケル・アルテタ監督は昨夏からガルシアに注目しており、今夏の移籍市場でも強い関心を示している。
現在、アーセナルのゴールは同じくスペイン人のダビド・ラヤが守っているが、ガルシアを加えることでポジション争いを活性化させる狙いがある。24歳という若さと、ラ・リーガで培った経験を持つ彼は、ガナーズに新たな選択肢をもたらすだろう。
ただし、移籍実現には出場機会の保証が不可欠となる可能性が高い。ガルシアはレギュラーとしてのプレーを強く望んでおり、控え要員としての加入は望んでいない。アルテタ監督がどのような構想を描いているのか、注目される。
アーセナルの独走を阻止すべく、バルセロナも本格的な獲得に乗り出している。カタルーニャの名門は、ベテランGKマルク=アンドレ・テア・シュテーゲンの後継者を探しており、その最有力候補としてガルシアを評価している。
シュテーゲンの他にポーランド代表のヴォイチェフ・シュチェスニーも候補に挙がっているが、いずれも世代交代が必要な時期を迎えている。24歳のガルシアは、理想的な後継者として長期的な投資に値する存在。
ガルシアにとってもバルセロナ移籍は魅力的な選択肢となる。母国スペインでプレーを続けながら、ラ・リーガ制覇を目指せる環境は大きな魅力となる。
トッテナムやPSGも注目、争奪戦の行方は不透明
アーセナルとバルセロナの争いが注目される中、他の欧州ビッグクラブも水面下で動いている。トッテナム・ホットスパー、マンチェスター・ユナイテッド、マンチェスター・シティ、バイエル・レバークーゼン、パリ・サンジェルマン(PSG)などが、ガルシアの動向を見守っている。
ガルシアが最も重視するのは定期的な出場機会の確保。ビッグクラブの控え選手には甘んじず、確固たる正守護神の座を目指している。そのため、どのクラブが信頼を示すかが、重要な判断材料となるだろう。
エスパニョールの財政難、ガルシアの実力、そして移籍市場の動向。最終的にどのクラブが獲得に成功し、ガルシアがどのユニフォームを着ることになるのか?