昨季の不調から抜け出すため、ウェストハム・ユナイテッドが新たな中盤のピースとして注目するネルソン・デオッサ獲得に向け、他クラブに先行しているようだ。ノッティンガム・フォレストも状況を見守っているものの、現時点ではウェストハムがリードを保っているとされる。
このコロンビア人MFは現在メキシコのモンテレイに所属し、25歳にして移籍のタイミングを迎えている。コロンビア出身ジャーナリストのパイプ・シエラ氏によると、選手の代理人であるセサル・トボン氏はすでにメキシコ現地に滞在し、複数クラブから届いた正式オファーを検討しているという。
これまでにパチューカ、アトレティコ・ナシオナル、エストゥディアンテスといったクラブで経験を積んできたデオッサは、185cmの体格を活かし、守備と攻撃を繋ぐ中央のリンクマンとして評価されてきた。プログレッシブなパスとフィジカルの強さを兼ね備え、守備的MFからより攻撃的な役割まで幅広くこなす柔軟性も持つ。
プレースタイルに加え、近年の国際大会で見せた安定したパフォーマンスが欧州スカウト陣の目に留まっており、ASローマ、レアル・ベティス、パルメイラスなども関心を示してきた経緯がある。ただし、選手サイドはプレミアリーグでの挑戦を理想的なキャリアの次ステップと考えているとされ、英クラブへの移籍が現実味を帯びている。
パケタの動向次第では優先ターゲットに浮上
ウェストハムにとって、ネルソン・デオッサの獲得は単なる補強ではなく、構造的な変化を意味するかもしれない。特に注目されるのは、ルーカス・パケタの将来的な去就。イングランドサッカー協会(FA)の調査結果が近日中に発表される見通しであり、万が一パケタがチームを離れることになれば、中盤の再編は急務となる。
このような背景もあり、クラブはすでに選手サイドとの交渉を本格化させており、交渉の最終段階に入っているとも報じられている。
一方、ノッティンガム・フォレストも引き続き交渉の場に留まっており、今後の動向によっては最終局面での逆転もあり得る状況。両クラブに共通しているのは、プレミアリーグの中盤を支える新たなピースとして、デオッサが即戦力となると見込んでいる点である。
多くのスター選手が集うプレミアリーグで、ネルソン・デオッサがどのようなインパクトを与えるのか。移籍が正式決定すれば、中堅クラブの勢力図に大きな変化をもたらす可能性もある。今夏注目のタレントが、次に立つ舞台は果たしてロンドンになるのか、それとも別の地になるのか。