プレミアリーグでの実績を積み上げてきたヨアネ・ウィサの移籍が、ついに現実味を帯びてきた。ブレントフォードの躍進を陰で支え続けてきたこのフォワードが、次に目指すのはヨーロッパ最高峰の舞台——チャンピオンズリーグである。
ニューカッスルが本腰、ウィサに照準を合わせる
ベルギー代表としても国際舞台に立つヨアネ・ウィサは、ブレントフォードでプレミア通算92試合に出場し、21ゴールを挙げてきた。得点数以上に評価されているのが、彼のユーティリティ性とハードワーク。ウィングから中央、時にはセカンドトップまで幅広くこなすポリバレント性は、どのチームにとっても貴重な存在だ。
そんなウィサに対して、ニューカッスルが新たなオファーを準備していると報じられている。カラム・ウィルソンの退団の穴埋めに加えて、去就が騒がれるアレクサンデル・イサクの後釜として、ウィサのような機動力と得点力を兼ね備えた選手を追い求めている。
加えて、ニューカッスルは2025-26シーズンのチャンピオンズリーグ出場権獲得を強く意識しており、その野心はウィサの志向と合致する。本人がUCL出場を最優先としている事実を踏まえれば、ニューカッスルはまさに理想的な移籍先のひとつとなる。
ブレントフォードが方針転換、移籍実現の可能性高まる
当初、ブレントフォードはウィサを「非売品」として扱っていた。しかし、クラブは方針を軟化させ、後任のストライカーさえ確保できれば放出に応じる構えを見せている。実際、ウィサはQPRとの親善試合に出場せず、これはクラブ側がすでに移籍の準備段階に入っていることを示唆する動きだ。
この変化は、クラブにとっても選手にとっても妥協点を見つけた結果であり、現実的な選択肢といえる。キース・アンドリュース新監督率いるブレントフォードは、近年の成功により移籍市場での柔軟性を持つようになっており、現有戦力を失ってもシステムで補える体制を整えてきた。
また、今夏にはトッテナムもウィサに関心を示したとされており、複数クラブによる獲得競争が存在することが明らかとなった。だが、現時点でUCL出場権を有するニューカッスルが一歩リードしている状況だ。
ウィサ自身も、この夏をキャリアの転機と捉えている。26歳という脂の乗った時期に入り、今後3〜4年がキャリアピークになると見られる中で、ビッグステージへの野心が彼を動かすのは当然だ。
2025年夏の移籍市場は、スター選手たちの大型移籍に目を奪われがちだ。しかし、ヨアネ・ウィサのような中堅クラブで価値を証明してきたタレントが、新たな挑戦を求めて羽ばたく瞬間こそ、サッカーの醍醐味。
チャンピオンズリーグという最高の舞台に立つために、ウィサがどのクラブを選ぶのか。その答えは、そう遠くない未来に明らかとなるだろう。