30年ぶりの欧州の舞台に立つノッティンガム・フォレストが、その栄光への道筋をより確実なものにするため、イプスウィッチ・タウンの左サイドバック、リーフ・デイヴィス獲得に本腰を入れている。
ベン・ジェイコブス氏とアレックス・クルーク氏が共同で報じたところによると、フォレストはデイビスへのオファー準備を進めており、既に複数のプレミアリーグクラブからの提示を退けているイプスウィッチとの交渉は困難を極めそうだ。
2024-25シーズンに7位でフィニッシュし、チャンピオンズリーグ圏内まで僅か1ポイントと迫った前シーズンの躍進。その勢いを欧州の舞台でも発揮するため、ヌーノ・エスピリト・サント監督は5人の新戦力獲得を望んでいる。
既にダン・エンドイェを3450万ポンドという破格の移籍金でボローニャから獲得し、アンガス・ガンもゴールキーパーの競争激化のために加入させた。しかし、アレックス・モレノとハリー・トフォロの退団により、左サイドバックのバックアップは喫緊の課題となっている。
デイビス獲得に込められた戦略的意図
デイビスは2023-24シーズンのチャンピオンシップで18アシストを記録し、イプスウィッチのプレミアリーグ昇格の立役者となった25歳の攻撃的左サイドバック。同シーズンにはクラブの最優秀選手にも選ばれ、その攻撃センスは折り紙付きだ。
しかし、プレミアリーグでの初挑戦では思うような結果を残せず、チームの降格と共に再びチャンピオンシップの舞台へと戻ることになった。
しかし、この一年のプレミアリーグ経験こそが、フォレストにとって彼を魅力的な存在にしている要因でもある。欧州戦という新たな戦場で戦うフォレストにとって、トップリーグでの経験値は計り知れない価値を持つ。
現在の左サイドバックであるニコ・ウィリアムズは昨シーズン見事にポジションを自分のものにしたが、国内リーグ戦と欧州戦を並行して戦う過密日程では、質の高いローテーション要員が不可欠だ。
フォレストの関心は24-25シーズン終了時点から続いており、降格したクラブから実力ある選手を適正価格で獲得するという明確な戦略が見て取れる。デイビス本人も英『East Anglian Daily Times』に対してプレミアリーグ復帰への強い意欲を示しており、フォレストでの新天地は彼にとって理想的な環境といえるだろう。
欧州制覇への野心が生む新たな物語
イプスウィッチのファンからは最低2000万ポンドから2500万ポンドでの売却を望む声が上がっており、フォレストには相当な覚悟が求められる。既に今夏だけで5000万ポンド以上を補強に投じているフォレストだが、エランガの5500万ポンドでの売却により1億ポンド以上の売却益を確保しており、財政的な余裕は十分にある。
UEFAカップで戦った1995-96シーズン以来、実に30年ぶりとなる欧州戦への出場。クリスタル・パレスの控訴次第でヨーロッパリーグかカンファレンスリーグかは決まるが、いずれにせよフォレストは欧州の舞台で輝きを放ちたいはずだ。そのためには、プレミアリーグの激しさを知り、なおかつリベンジへの強いモチベーションを持つデイビスのような選手こそが必要なピースなのかもしれない。
降格の苦杯を嘗めた選手が、より高いステージで再び輝きを放つ。そんなサクセスストーリーを、フォレストは欧州制覇への壮大な物語の一部として描こうとしている。