エヴァートン退団の28歳ストライカー、代理人なしで新天地探し~マンU、ヴィラ、ニューカッスルが候補

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カルバート=ルーウィンがエヴァートンでの9年間に幕…リーズ・ユナイテッドが獲得に乗り出す? Aston Villa

ドミニク・カルバート=ルーウィンが移籍市場で前例のない手法に打って出た。エヴァートンでの9年間に終止符を打った28歳のストライカーは、新天地探しの過程でプロのエージェントとの契約を解除し、現在は家族メンバーと共に移籍交渉を進めている。

英『talkSPORT』によると、マンチェスター・ユナイテッド、ニューカッスル・ユナイテッド、アストン・ヴィラといった有力クラブが獲得を検討している中で、カルバート=ルーウィンは自らの手で運命を切り開こうとしている。

2024/25シーズンはハムストリングの負傷に悩まされ、プレミアリーグ26試合でわずか3ゴールという不本意な成績に終わったが、エヴァートンでの通算273試合71ゴールという実績が示すように、彼の価値は決して失われていない。

フリーエージェントという立場でありながら、プレミアリーグ開幕を間近に控えてもなお契約が決まらない状況は、移籍市場の複雑さと彼を取り巻く諸事情を物語っている。

エージェント解雇という大胆な選択~家族と歩む新たな道筋

カルバート=ルーウィンのエージェント解雇は、プロサッカー界では極めて珍しい展開だ。通常、移籍交渉は専門知識と人脈を持つ代理人が主導するものだが、彼が家族による交渉という道を選んだ背景には、現在の移籍状況に対する強い不満があったとみられる。

彼の中ではマンチェスター・ユナイテッドへの関心が高いとされているが、オールド・トラフォードでの獲得実現は現実的には困難な状況だ。ユナイテッドは既に攻撃陣に十分な選択肢を抱えており、ラスムス・ホイルンドのACミラン移籍が具体化した場合のみ、補強候補として浮上する可能性がある程度にとどまっている。

ニューカッスル・ユナイテッドとは既に交渉を行ったものの、クラブ側は他のターゲットに注力している模様だ。ヨアネ・ウィサの獲得が進展しており、ニコラス・ジャクソンやオリー・ワトキンスといった選手への関心も報じられている中で、カルバート=ルーウィンの優先順位は必ずしも高くない状況が続く。

アストン・ヴィラに関しては、当初は獲得に前向きな姿勢を見せていたが、エヴァン・ゲサンの加入により状況は大きく変化した。ウナイ・エメリ監督の構想では、ワトキンス、ドニエル・マレン、ギッサンが上位の序列を占めており、高額な給与を要求するであろうカルバート=ルーウィンを4番手として迎え入れる合理性は乏しい。

実績と負傷歴の狭間…フリーエージェント市場の現実

カルバート=ルーウィンが直面している最大の課題は、輝かしい実績と深刻な負傷歴というコントラストにある。プレミアリーグ通算57ゴールはエヴァートン史上3番目に多い記録であり、2020/21シーズンには全コンペティションで21ゴールを挙げてクラブの年間最優秀選手に選ばれた実力は本物だ。

2021/22シーズン終盤のクリスタル・パレス戦での決勝ゴールは、エヴァートンのプレミアリーグ残留を決定づける価値ある一撃として今でも語り継がれている。イングランド代表としても11キャップを記録し、ユーロ2020のウクライナとの準々決勝での出場経験は、国際舞台での実績も証明している。

しかし、過去4シーズンで20試合以上の先発出場を記録したのはわずか1回という数字が、彼の置かれた厳しい現実を浮き彫りにしている。特にハムストリングの問題は慢性的で、昨シーズンは2月から4月にかけて長期離脱を余儀なくされた。最終的に最後の4試合には交代での出場にとどまり、チームへの貢献度も限定的だった。

フリーエージェントという条件は移籍金が不要というメリットをもたらすが、週給の高さと負傷リスクを考慮すると、多くのクラブが慎重な姿勢を取らざるを得ないのが実情だ。28歳という年齢は、ストライカーとしてはまだ円熟期の入り口に差し掛かったところだが、これまでの負傷歴を踏まえると将来への不安も拭い切れない。

個人的な見解

カルバート=ルーウィンの現在の状況は非常に興味深い事例だ。エージェントを解雇して家族と共に交渉を進めるという手法は前代未聞に近く、この決断自体が彼の危機感と決意の強さを物語っている。ただし、複数のクラブが関心を示しているとはいえ、具体的なオファー提示に至っていない現状は、移籍市場における彼の立ち位置の微妙さを示している。

負傷の問題については、確かに懸念材料だが過度に悲観視する必要もないと考える。適切なメディカルサポートとコンディショニングがあれば、彼の持つ空中戦での圧倒的な優位性と経験値は、どのクラブにとっても貴重な戦力となるはずだ。

フリーエージェントという条件を活かし、短期契約からスタートして実績を積み重ねていくアプローチも一つの選択肢だろう。最終的にどのクラブが彼に手を差し伸べるのか、移籍市場の終盤における展開に注目したい。