シティの5000万ポンド要求が壁に…トッテナム交渉難航で、サビーニョ放出停滞でロドリゴ獲得は夢のまま!

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シティの5000万ポンド要求が壁に…トッテナム交渉難航で、サビーニョ放出停滞でロドリゴ獲得は夢のまま! Manchester City

マンチェスター・シティとトッテナムの間で繰り広げられているサビーニョを巡る移籍劇が、予想以上の膠着状態に陥っている。ファブリツィオ・ロマーノ氏が報じているところによると、スパーズが提示した4300万ポンドのオファーに対し、シティサイドは明確に拒否の姿勢を示したという。

シティはサビーニョの売却に消極的な立場を鮮明にしている。なぜならサビーニョを重要な戦力として位置づけており、安易な放出は考えていないということ。昨夏にトロワから加入した21歳のブラジル人ウインガーは、グアルディオラの戦術システムにおいて欠かせない存在となりつつある。

しかし、この表面的な拒否姿勢の裏側には、より深い戦略が隠されている可能性がある。複数の情報源が示唆するのは、サビーニョが自ら移籍を望んだ場合、シティは5000万ポンドを超える金額であれば交渉のテーブルに着く意向があるということだ。この数字は、トッテナムの初期オファーから約700万ポンドの上積みが必要となる水準である。

トッテナムの執念とシティの計算

トーマス・フランク監督が率いるトッテナムにとって、サビーニョの獲得は来季の躍進に向けた生命線ともいえる補強。ソン・フンミンのMLSロサンゼルスFC移籍によって生じた創造性の空白を埋める存在として、サビーニョの技術と若さは理想的な要素を備えている。

サビーニョのプレースタイルを詳細に分析すると、彼の真価は狭いスペースでのボールコントロールとワンタッチパスの精度にある。

昨季のマンチェスター・シティでは限られた出場時間ながら、90分あたり2.8回のキーパス成功率を記録し、特にカウンターアタックの起点としての役割で存在感を示した。ポステコグルーが志向する高速プレッシングサッカーにおいて、このような特徴を持つ選手は貴重な戦力となる。

一方で、トッテナムの財政状況を考慮すると、5000万ポンドという金額は決して軽いものではない。昨季のヨーロッパリーグ優勝によるチャンピオンズリーグ出場権獲得が、この大型投資を可能にする重要な要因となっている。しかし、同時にスパーズは他のポジションでも補強が急務であり、サビーニョ一人にこれほどの資金を投じることのリスクも考慮しなければならない。

ロドリゴ獲得構想の現実味

シティがサビーニョ売却に条件付きで応じる理由の一つが、レアル・マドリードのロドリゴ獲得への道筋を確保することにある。ペップ・グアルディオラはロドリゴに対して異常なまでの執着を見せており、クラブ首脳陣に対して積極的な獲得を働きかけている。

ロドリゴの現状を冷静に分析すると、彼を取り巻く環境は確実に変化している。シャビ・アロンソの新監督就任により、レアル・マドリードの戦術コンセプトは大幅な見直しが予想される。キリアン・エムバペ、ヴィニシウス・ジュニオール、ジュード・ベリンガムという3人のスーパースターが確実なスタメンポジションを確保する中で、ロドリゴの立ち位置は微妙なものとなっている。

実際、ロドリゴの今季の成績を数字で追うと、ラ・リーガ30試合出場で22試合先発という数字は、彼のクラス を考えれば決して満足できるものではない。特に直近3か月間でわずか1ゴールという低調さは、マドリード首脳陣にとっても懸念材料となっている。

しかし、ロドリゴ自身の最近の動向を見ると、マドリード残留への強い意志が感じられる。8月12日のプレシーズンマッチ後に投稿したSNSでの「Que empiece 25/26(25/26を始めよう)」というメッセージは、新シーズンへの意気込みを表している。

レアル・マドリードが設定した1億ユーロという評価額は、確かに非現実的な数字だ。しかし、この金額をシティが支払う可能性は、サビーニョの売却益だけでは到底カバーできない。ジャック・グリーリッシュのエバートンへのローン移籍や、ジェームズ・マカティーのノッティンガム・フォレスト移籍などで資金調達を進めているものの、ロドリゴ獲得には追加の大型売却が必要となるのは間違いない。

個人的な見解

今回の一連の動きを俯瞰して見ると、マンチェスター・シティの移籍戦略の巧妙さと同時に、その限界も見えてくる。サビーニョを巡る交渉では、シティは主導権を握っているものの、トッテナムとの評価額の乖離は想像以上に大きい。

5000万ポンドという金額設定は、単純にサビーニョの市場価値だけでなく、ロドリゴ獲得への資金調達という思惑も織り込まれている。この二重の目的を持った価格設定は、交渉を複雑にしている要因でもある。

ロドリゴ獲得の現実性については、率直に厳しいと感じている。レアル・マドリードが設定した1億ユーロという評価額もさることながら、ロドリゴ自身のマドリード愛は本物だ。

彼のキャリアを振り返ると、2022年のチャンピオンズリーグ準決勝でシティを撃破した時の輝きは忘れがたい。あの瞬間から彼にとってシティは「打倒すべき相手」であり「憧れの移籍先」ではないのかもしれない。

8月12日のSNS投稿も、単なるリップサービスではなく、本心からの決意表明に見える。シティがどれほど魅力的なオファーを提示したとしても、ロドリゴの心を動かすのは容易ではないだろう。

結果として、この夏の移籍市場では、サビーニョの動向のみに注目が集まる可能性が高い。トッテナムが果たして5000万ポンドという大台に到達できるのか、そしてサビーニョ自身がスパーズ移籍を真剣に検討するのか。この2つの要素が、今後の展開を決定づけることになりそうだ。