ドイツ人ジャーナリストのフロリアン・プレッテンベルクの報じた内容が、移籍市場に激震を走らせている。アストン・ヴィラがニコラス・ジャクソンを獲得候補リストに正式に追加し、すでにチェルシーとの間で交渉がスタートしたという。24歳のセネガル代表ストライカーを巡る争奪戦は、ついに具体的な局面へと突入した。
🚨🟣🔵 Aston Villa have added Nicolas #Jackson to their shortlist and are closely monitoring his situation. Talks have already taken place. #AVFC
— Florian Plettenberg (@Plettigoal) August 18, 2025
Several clubs are interested. FC Bayern have also gathered information, but a move to Munich is not happening.
The 24 y/o versatile… pic.twitter.com/XLIV96xSqS
チェルシーでは今夏、リアム・デラップとジョアン・ペドロの獲得により、ジャクソンの立ち位置が大きく変化。エンツォ・マレスカ監督の構想では3番手扱いとなり、開幕戦のクリスタルパレス戦ではベンチ入りすら果たせなかった。この状況を受け、ジャクソン自身も新天地での再起を強く望んでいる。
興味深いのは、複数のクラブが関心を寄せる中で、ヴィラが最も現実的な選択肢として浮上していることだ。バイエルン・ミュンヘンも情報収集を行ったものの、ミュンヘン移籍の可能性は低いとプレッテンベルクは明言している。ニューカッスル・ユナイテッドとマンチェスター・ユナイテッドも候補に挙がっているが、ヴィラほど具体的な動きは見せていない。
エメリとの師弟関係が運命を変える
この移籍劇で最も重要な要素は、ウナイ・エメリ監督との特別な絆だ。2021年にビジャレアルでジャクソンにプロデビューの機会を与えたのはエメリその人であり、スペイン人指揮官は過去に彼の才能を絶賛してきた。「彼はいつも学ぼうとしていた。より多くの練習を要求し、集中していた。ピッチ外でもプロフェッショナルだった」とエメリーは当時を振り返っている。
戦術的な相性も申し分ない。エメリが求める高い運動量と守備貢献度、そして左右両サイドでもプレー可能な汎用性は、まさにジャクソンの特徴と合致する。チェルシーでの81試合30ゴール12アシストという数字は、プレミアリーグでの適応力を十分に証明しており、ビラでなら更なる飛躍が期待できる。
移籍金額については、当初の要求額8000万ポンドから現実的な範囲まで下がることが予想される。ビラにとって大きな投資になることは間違いないが、オリー・ワトキンスとの2トップ起用や、ワトキンス移籍時の後釜としての役割も視野に入れれば、十分に正当化できる金額だろう。
ヨーロッパリーグを戦うヴィラにとって、攻撃陣の層の厚さは死活問題だ。ジャクソンの加入により、エメリーの戦術バリエーションは格段に広がり、厳しいスケジュールにも対応できる体制が整う。彼の持つエネルギーと勢いは、ヴィラパークに新たな活力をもたらすに違いない。
個人的な見解
この移籍が実現すれば、ジャクソンにとって人生を変えるターニングポイントになるはずだ。チェルシーでは常に巨大なプレッシャーと批判にさらされ、時として不当な扱いを受けることもあった。
しかし、恩師エメリの下でなら、本来の力を存分に発揮できる環境が待っている。ビジャレアル時代に培った信頼関係は、今でも色褪せることなく、両者の再会を心待ちにしているファンも多い。
ヴィラサポーターにとっても、この移籍は大きな希望の光となる。昨季の快進撃を支えた攻撃力に、さらなる武器が加わることで、国内外での戦いに向けた準備が整う。
ジャクソンの持つスピードと決定力、そして何より勝利への飢えは、クラブの野心を体現する存在になるだろう。プレッテンベルクの報道が現実となる日は、そう遠くないかもしれない。