欧州各地で移籍市場が本格化し始める中、23歳のベルギー代表DFコニ・デ・ヴィンターが注目の的となっている。今シーズン、セリエAのジェノアで守備の要として台頭した同選手には、イングランドとイタリアを中心に複数クラブが熱視線を送っており、争奪戦は新たな局面を迎えつつある。
コニ・デ・ヴィンターは、今季のジェノアで31試合に出場し、安定感のある守備とフィジカルの強さで確固たる地位を築いた。元ユヴェントス所属である彼は、かつて将来を嘱望された逸材。実際、ジェノアのスポーツディレクターであるマルコ・オットリーニも「国際レベルの資質を備えており、フィジカル・テクニック・メンタルの全てで成長を遂げた」と語っている。
加えて、ユヴェントス時代に同じ空間を共有したレオナルド・ボヌッチもその潜在力に太鼓判を押しており、「恐れを知らない姿勢が彼の武器だ。今後さらに大きな存在になる」とコメントを残している。
一方、ベルギー代表ではまだ継続的なインパクトを与えるには至っておらず、特に右サイドでのプレーには課題も残る。しかし、センターバックとしてのプレースタイルにはヴィンセント・コンパニの面影もあり、さらなる成長の余地は大きい。
イングランド勢の動きは活発だ。特にウェストハム・ユナイテッドとクリスタル・パレスが強い関心を示していることを伊『Tuttomercatoweb』が報じており、なかでもウェストハムは早期に獲得へ動く構えだという。
一方で、一時はトッテナム・ホットスパーが約2000万ポンドのオファーを提示したとも伝えられたが、現在は続報が一切なく、信憑性には疑問の声も上がっている。むしろ、現段階で具体的なアプローチを行っているのはウェストハムとクリスタル・パレスの2クラブと見られており、イングランド国内でのリードを確保している模様だ。
さらにセリエAではインテル・ミラノが長期的な世代交代の一環として候補に挙げており、ポルトガルのFCポルトとベンフィカも既にリサーチを開始。欧州中から注目される存在にまで評価が高まっている。
高騰する移籍金と「再販売条項」がカギに
この争奪戦をより複雑にしているのが、移籍金の設定だ。ジェノアはコニ・デ・ヴィンターに対して3000万ユーロという高額なプライスタグを掲げている。これは、彼をユヴェントスから800万ユーロ+ボーナスで獲得した際に結ばれた、次回移籍金の25%をユヴェントスに支払う「再販売条項」が背景にある。
この条項により、ジェノアとしてはある程度の利益を確保するためにも高額な売却を狙わざるを得ず、結果的に移籍交渉の難易度を引き上げている。
現時点でジェノアのオットリーニSDは「正式なオファーは届いていない」と述べており、交渉はまだ初期段階にある。しかし、デ・ヴィンターを巡る動きは日々活発になっており、今後一気に動きが加速するかもしれない。