ノルウェーの巨人セルロート、スパーズ移籍でソランケとの黄金コンビ誕生か?

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ノルウェーの巨人セルロート、スパーズ移籍でソランケとの黄金コンビ誕生か? Tottenham Hotspur

マドリードの地で燻る才能が、再びロンドンの空の下で輝きを放つ時が来た。アレクサンデル・セルロートという名前を聞いて、多くのプレミアリーグファンが思い浮かべるのは、クリスタル・パレス時代の苦い記憶かもしれない。

しかし、29歳となった今のセルロートは、あの頃とは全く違う選手に進化している。昨シーズンアトレティコ・マドリードで24ゴールを叩き出したノルウェー代表は、トッテナムという新たな舞台で真価を問おうとしている。

英『talkSPORT』が報じたように、セルロートのスパーズ移籍話は噂の域を超えている。アトレティコでの立ち位置に不満を抱く29歳のストライカーは、ディエゴ・シメオネ監督の下では脇役に甘んじることを良しとしない。

アントワーヌ・グリーズマン、フリアン・アルバレス、ジャコモ・ラスパドーリらが序列の上位を占める中、自身の価値を証明するためのより良い環境を求めているのだ。

セルロートとソランケの理想的な2トップ構想

トッテナム移籍が実現すれば、最も注目されるのがドミニク・ソランケとのパートナーシップだろう。ソランケは昨シーズン、ボーンマス時代の19ゴールという輝かしい記録を引っ提げてスパーズに5500万ポンドで移籍した。

しかし、新天地での今シーズンは27試合で9ゴール3アシストと、期待されたほどのインパクトは残せていない。ここにセルロートという新たなピースが加わることで、攻撃陣は劇的な変貌を遂げる可能性がある。

ソランケの持つテクニカルな面とセルロートの空中戦での圧倒的な強さは、まさに相互補完の関係だ。身長195センチのセルロートは、典型的なターゲットマンとしてのフィジカルを持ちながら、足元の技術にも長けている。

シメオネ監督も過去に彼を評価し、攻撃的にも守備的にも複数の役割をこなせる完全なフォワードと称賛している。一方のソランケは、プレッシングと献身的な動きでチームに貢献するタイプであり、この2人のコンビネーションは相手ディフェンスにとって悪夢となるだろう。

新体制下でのタイトル再挑戦

5月のヨーロッパリーグ制覇から3ヶ月、トッテナムは大きな転換点を迎えている。17年ぶりのタイトル獲得という歴史的偉業を成し遂げたアンジェ・ポステコグルー監督は、プレミアリーグでの17位という惨憺たる成績を受けて6月に解任された。新体制下で迎える来シーズン、チャンピオンズリーグという大舞台でのセルロートの存在感は計り知れない。

セルロートがマドリード退団を望む理由は明白。昨シーズン24ゴールという数字を残したにもかかわらず、今シーズン開幕戦のエスパニョール戦ではわずか9分間の出場時間しか与えられなかった。

シメオネ体制下での二番手扱いに我慢の限界を感じているのは当然の反応。アトレティコ側も不満を抱く選手を抱え続けることの無意味さを理解しており、適切なオファーがあれば売却に応じる姿勢を見せている。

セルロートのプレミアリーグ復帰への思いは人一倍強い。パレス時代の20試合1ゴールという悪夢を払拭し、今度こそイングランドの地で成功を掴みたいという執念が彼を突き動かしている。

29歳という年齢を考えれば、これが最後の大舞台への挑戦となる可能性が高く、その意味でもトッテナムという選択は理想的だ。ヨーロッパリーグ制覇でチャンピオンズリーグ出場権を手にしたスパーズは、来季さらなる高みを目指しており、セルロートの経験と得点力は欠かせない要素となる。

移籍金についても、『Transfermarkt』の評価額2200万ポンドは決して法外な金額とは言えない。アトレティコが2024年に支払った3200万ユーロと比較すれば、むしろ割安感さえある。トッテナムにとって、この価格でセルロートクラスの実績あるストライカーを獲得できるのであれば、極めて戦略的な補強だ。

個人的な見解

セルロートのトッテナム移籍は双方にとって理想的な選択だと考えている。彼のキャリアを振り返ると、環境さえ整えば確実に結果を残すストライカーである証拠が数多く存在する。

ビジャレアル時代、レアル・ソシエダでのローン期間、そして直近のアトレティコでの活躍は、彼が世界最高レベルの舞台で通用することを物語っている。パレス時代の不振は、当時のチーム状況と戦術的フィットの問題であり、現在の彼の能力を測る基準にはならない。

スパーズの現状を考えれば、セルロートという選択肢は戦術的な幅を大きく広げてくれる。新監督が目指すサッカーにおいて、ソランケとセルロートの2トップは相手にとって極めて対処困難な存在となるだろう。

特に、プレミアリーグの激しいフィジカルコンタクトにおいて、セルロートの195センチの長身と強靭な体幹は決定的なアドバンテージとなる。彼の加入により、セットプレーでの得点力向上も期待でき、タイトル争いに必要な勝負強さを手に入れることができるはずだ。

チャンピオンズリーグという大舞台で、セルロートとソランケのコンビが欧州のビッグクラブ相手にどのような戦いを繰り広げるか、今から楽しみでならない。