パレス参戦で激化!カンヴォ争奪戦、19歳の逸材を巡る2000万ユーロの攻防戦

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パレス参戦で激化!カンヴォ争奪戦、19歳の逸材を巡る2000万ユーロの攻防戦 Aston Villa

ファブリツィオ・ロマーノ氏の投稿が、移籍期限直前の市場に新たな波紋を広げている。クリスタル・パレスがトゥールーズの19歳センターバック、ジェイディー・カンヴォ獲得に電撃参戦を果たしたのだ。

先週アストン・ヴィラの入札を跳ね返したフランスクラブにとって、イーグルスの名乗りは理想的なシナリオ。2000万ユーロという強気の価格設定に、ついに本気の競争相手が現れた瞬間だった。

身長188センチの堂々たる体躯を武器に、昨季リーグ・アンで18試合出場を果たしたカンヴォ。空中戦勝率53%、地上戦勝率43%という数字以上に印象的なのは、センターバックからボランチまでこなす戦術的融通性だ。

今季開幕2試合では90分フル出場を続け、トゥールーズのニース戦勝利、ブレスト戦勝利に貢献。まさにプレミアリーグが渇望する現代的ディフェンダーの完成形に近づきつつある。

グラスナー政権下でのパレス守備陣改革

オリヴァー・グラスナー監督にとって、カンヴォの獲得は戦術革命の鍵を握る。今夏エベレチ・エゼをアーセナルに送り出したパレスは攻撃陣の再編を優先してきたが、守備ラインの世代交代も喫緊の課題となっている。

マルク・グエイのリバプール移籍で揺れる中、ヨアヒム・アンデルセンの将来にも暗雲が立ち込む。そんな状況下で浮上したカンヴォは、技術力と身体能力のバランスが絶妙な逸材だ。

フランスU-19代表として今年6月のモーリス・レヴェロ・トーナメント制覇の立役者となった実績は、国際舞台での経験値を裏付けている。トゥールーズでカルレス・マルティネス監督の信頼を勝ち取り、必要に応じて中盤でもプレーする柔軟性は、グラスナーが描く戦術パズルの重要なピースとなり得る。

エメリ vs グラスナー、名将対決の行方

アストン・ヴィラのウナイ・エメリ監督がカンヴォに懸ける想いも深刻だ。開幕戦ニューカッスル戦でエズリ・コンサが一発レッドで退場し、昨季は4度の退場でチーム戦術を狂わせた守備陣の脆さは根深い問題として残っている。チャンピオンズリーグ再出場を狙うヴィラにとって、ディフェンスラインの安定化は死活問題となる。

『RMCスポーツ』のファブリス・ホーキンス記者が報じた通り、ヴィラは新たなオファー準備を進めているが、パレスの介入で戦況は一変した。移籍期限まで残り1週間を切る中、両クラブの決断スピードが勝敗を分けることになりそうだ。

興味深いのは、カンヴォ自身の意向だ。2029年まで契約を残すトゥールーズとしても、この好機を逃す理由はない。複数のプレミアクラブが関心を寄せる今こそ、設定した評価額を実現できる千載一遇のチャンス。

個人的な見解

この争奪戦の帰趨を左右するのは、カンヴォ自身のキャリアビジョンではないだろうか。19歳という年齢を考慮すれば、プレミアリーグは魅力的な舞台だが、レギュラーポジション確保への道筋が見えるかどうかが鍵となる。

ヴィラが今夏獲得したヤシン・オズジャンをアンデルレヒトにレンタル放出したケースを見ても、段階的な育成プランの重要性は明らか。

ただし、カンヴォの持つ多ポジション対応能力は、現代フットボールにおいて極めて稀有な才能だ。センターバックとボランチを高次元でこなせる選手は市場に溢れているわけではない。

グラスナーの戦術的多様性を重視するアプローチの下であれば、その能力を最大限に開花させる土壌が整っている。移籍期限のタイムリミットが迫る中、この夏最後のビッグディールの主役は果たして誰の手に渡るのか。カンヴォ争奪戦の結末から、当分の間は目が離せない状況が続きそうだ。