コビー・メイヌー、ユナイテッド退団へ現実味!プレミア強豪からの問い合わせに前向きか

スポンサーリンク
トッテナム、コビー・メイヌーに問い合わせ実施!?チェルシーも警戒するユナイテッドとの契約難航 Manchester United

クレイブン・コテージのベンチに座るコビー・メイヌーの表情には、諦めにも似た何かが宿っていた。フルハムとの1-1の引き分けで、またしても90分間ベンチを温め続けた20歳のイングランド代表MFは、移籍期限の最終日に向けてオールド・トラッフォードからの退団を本格的に検討し始めている。

英『United in Focus』によると、20歳ミッドフィルダーは移籍を視野に挿れており、プレミアリーグのクラブからの問い合わせに対し、メイヌー側は前向きな姿勢を示しているという。

「彼はブルーノ(フェルナンデス)とポジションを争っている状況だ。」ルベン・アモリム監督の口から出たコメントは冷酷な現実を突きつけた。フルハム戦後の記者会見で、ポルトガル人指導者はメイヌーの不在理由について淡々と説明した。

フィットネスの問題でも、調子の問題でもない。これほど明確な序列の宣告があっただろうか。チームが1-0でリードされ、創造性が求められる局面でも、アモリムはメイソン・マウントを選んだ。FAカップ決勝でマンチェスター・シティ相手に決勝弾を叩き込んだストックポート出身の天才は、もはや監督の脳裏に存在していないかのようだった。

この状況に対し、メイヌー周辺では大きな動きが始まっている。カリントン・アカデミーで9歳から育った生粋のレッドデビルズの血を引く選手の売却は、財政フェアプレー規則(PSR)上で「純利益」として計上される。

6000万ポンドという市場評価額は、クラブの財政状況改善に大きく寄与することになる。夏の移籍市場で2億ポンドを投じたINEOSにとって、この数字は魅力的に映っているはずだ。

アモリムの戦術的固執がもたらした悲劇

アモリムの3-4-2-1システムにおいて、メイヌーの立ち位置は曖昧なままだ。昨シーズン、ポルトガル人監督は彼をトップ下のポジションで頻繁に起用したものの、守備面での不安を隠せずにいた。しかし、攻撃面でのクローズコントロールと最終ライン近くでのリンクアップ能力は、間違いなくチーム屈指のレベルを誇っていた。それでもアモリムは、フェルナンデスという不動のキャプテンとの競争を強いることで、事実上メイヌーを戦力外扱いにしてしまった。

問題の核心は、フェルナンデスが滅多に休まないという現実にある。ポルトガル代表の司令塔は、疲労の色を見せようとも、パフォーマンスが低下しようとも、アモリムの信頼を失うことがない。8月19日のアーセナル戦でも、8月25日のフルハム戦でも、最後まで交代することなくピッチに立ち続けた。

メイヌーの現状について厳しい指摘がなされている。「ジョアン・ネヴェスのようにボール回しの中心になれていない」「攻撃に参加することばかりを考えて、ポゼッション維持の責任を果たせていない」。この評価が正当かどうかは議論の余地があるが、アモリムの視点では明らかに物足りない存在として映っているのかもしれない。

移籍期限最終日に向けた水面下の動き

今夏のメイヌーを巡る動きは、これまで以上に活発になっている。トッテナムは4日前、6000万ポンドでの獲得を検討していると報じられた。チェルシーもまた、長期的な関心を維持しており、水面下での接触を続けている。ブライトン、フルハム、ブレントフォードといったクラブも、アカデミー出身の才能ある若手に熱い視線を送っている。

週給25,000ポンドから180,000ポンドへの大幅増額を求める契約延長交渉は、1年以上にわたって暗礁に乗り上げている。ユナイテッド側の消極的な姿勢は、メイヌーの心を確実に離れさせている。移籍期限が迫る中、状況は刻一刻と変化している。

アモリムは記者会見で契約延長について問われた際、「それはジェイソン・ウィルコックス(スポーツディレクター)の管轄だ」と素っ気ない回答を示した。この発言からも、監督がメイヌーの去就について積極的な関心を示していないことが読み取れる。

個人的な見解

20年以上この業界で様々な移籍劇を見てきたが、メイヌーのケースほど理不尽に感じるものは珍しい。昨年の FA カップ決勝で決勝弾を決めた瞬間、オールド・トラッフォードに響いた歓声を思い出すと、現在の状況があまりにも対照的で胸が痛む。

彼のプレースタイル、特に狭いスペースでのボールタッチの繊細さと、プレッシャーの中でも冷静さを失わないメンタリティは、確実にイングランドの宝だ。アモリムが求める戦術的規律と、メイヌーが持つ創造性の間には明らかな溝があるが、それを埋める努力をするのが名将の仕事ではないだろうか。

特に腹立たしいのは、現在のユナイテッドのミッドフィールドが決してベストな状態ではないという事実。カゼミーロの運動量低下、ウガルテの適応不足、マウントの怪我がちな体質を考えれば、メイヌーという才能を活用しない手はない。

2026年ワールドカップを見据えるイングランド代表にとっても、彼のような技術と視野を併せ持つ選手は貴重な存在だ。もしユナイテッドが彼を手放し、ライバルクラブで花を咲かせることになれば、それはクラブ史上最大の判断ミスの一つとして記憶されることになるだろう。ファンとしても、ジャーナリストとしても、この才能が適切な環境で輝くことを心から願っている。