2024-25シーズンも終盤に差し掛かり、欧州各地で来季に向けた移籍戦略が加速する中、アタランタに所属するブラジル代表MFエデルソン(25歳)を巡って、水面下で熾烈な争奪戦が繰り広げられている。
伊『Tutto Atalanta』によれば、バルセロナ、リバプール、マンチェスター・ユナイテッド、ニューカッスル・ユナイテッドといったビッグクラブがすでに接触を図っており、今夏のマーケットでの獲得に向けた準備を進めている模様だ。
エデルソンは2022年夏にサレルニターナからアタランタへとステップアップを果たすと、ジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督の下で急成長。中盤のダイナモとして起用され、守備と攻撃の両面で躍動。これまでに公式戦で150試合近くに出場し、13得点4アシストを記録してきた。今シーズンも公式戦5ゴール2アシストと、攻撃面でも確かなインパクトを残している。
そのパフォーマンスはブラジル代表にも認められ、ついにフル代表への招集を果たした。かつて彼のデビューを目撃した南米サッカー専門家のティム・ヴィッカリー氏は、「強くて、がっしりしたボックス・トゥ・ボックス型MF。多才で、個性も際立っている」と高く評価。デビュー戦での印象についても「悪い状況での出場にも関わらず、際立っていた」と振り返っている。
チームメイトのマールテン・デ・ローンも今季序盤に「言葉が出ないほど。彼のスピードと回復力は他の誰にもない」と語っており、欧州トップレベルの舞台でプレーするにふさわしい資質を備えていることが証明されつつある。
エデルソンに注目するクラブは一様ではない。それぞれに明確な補強意図が存在しており、彼のプレースタイルが各チームにフィットする可能性を示している。
バルセロナでは、ハンジ・フリック新監督の下で中盤にさらなるオプションを加える動きがあり、ペドリやフレンキー・デ・ヨングに次ぐ新たな戦力としてエデルソンが候補に挙がっている。スペイン王者が再び欧州制覇を目指すうえで、厚みのあるミッドフィールドは必須条件だ。
リバプールにとっては、遠藤航の去就が不透明な中、エデルソンのようなプレミア適応型のフィジカルと技術を兼ね備えたMFは極めて理想的な補強ターゲットだ。ヨーロッパの舞台でもリバプール相手に質の高いプレーを披露しており、アルネ・スロット体制でも即戦力としての期待がかかる。
マンチェスター・ユナイテッドでは、エリクセンの退団に加え、カゼミーロの将来も不確実。中盤の創造性と守備的バランスを両立させるプレーヤーとしてエデルソンがマークされている。ゴール、ボール奪取、展開力の全てをこなす彼は、ルベン・アモリム体制の再構築において鍵を握る存在となるかもしれない。
一方、ニューカッスル・ユナイテッドでは、サンドロ・トナーリの去就が不透明な状況にあり、その後釜としてブラジル代表MFがレーダーに入っている。エディ・ハウ監督のハイプレス&トランジション重視の戦術において、エデルソンの運動量とプレッシング能力は魅力的だ。
アタランタの判断と今後の注目ポイント
2026年まで契約を結んでいるエデルソンだが、現時点ではクラブとの延長交渉には応じていない模様。アタランタにとっては今夏が売却の絶好のタイミングとなりそうで、タイミングを逃せば来年1月の移籍市場でのディスカウント、あるいは契約満了によるフリー移籍という最悪のシナリオもあり得る。
昨年10月には、アタランタ側が6400万ポンドという評価額を設定しているとの報道もあり、今後の交渉の行方が注目される。