フランスの古豪も諦めた逸材、メイヌーを巡るオールド・トラフォードの内部抗争

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「逸材を手放すのか?」コビー・メイヌー売却検討のユナイテッド、トッテナムが6000万ポンドで虎視眈々 Manchester United

プロヴァンスの地からオールド・トラフォードに向けられた熱いまなざしが、冷酷に遮断された。オリンピック・マルセイユが20歳のイングランド代表ミッドフィルダー、コビー・メイヌーに強い関心を示していたことが、仏『Foot Mercato』の報道で明らかになった。

しかし、マンチェスター・ユナイテッドは早々にその扉を完全に閉ざし、リーグ・アンの古豪の野心的な計画を頓挫させたのだ。

この拒絶が意味するものは深刻。ルベン・アモリム体制下で今シーズン、プレミアリーグでの出場時間ゼロという厳しい現実に直面しているメイヌーにとって、マルセイユからのオファーは救いの手であったはずだったが、その可能性も断たれた今、彼が置かれた状況はより一層深刻さを増している。

デゼルビが描いた青写真、ラビオ問題が加速させた補強計画

ロベルト・デ・ゼルビ監督がメイヌーに白羽の矢を立てた背景には、マルセイユの深刻な中盤事情がある。アドリアン・ラビオの復帰問題が長期化し、レアル・マドリードとの間でダニ・セバージョス獲得に合意しながらも、選手本人の同意を得られずに破談となった経緯がある。

この状況下で、技術的能力に長けたメイヌーの獲得は、デゼルビの戦術的構想にとって理想的な解決策となるはずだった。

メイヌーの持つボール捌きの技術と前線への配球能力は、デゼルビが好むポゼッション志向のサッカーと完璧に合致する。昨シーズンまでエリック・テン・ハフ体制下で見せた狭いスペースでのプレーメイキング能力は、地中海沿岸の戦術的環境で新たな輝きを放つ可能性を秘めていた。

マルセイユは今週末、リーグ・アンの第3節でオリンピック・リヨンとのアウェイ戦を控えている。中盤の人材不足が続く中での重要な一戦において、メイヌーという切り札を手にできなかった痛手は計り知れない。パブロ・ロンゴリア会長の手腕が改めて問われる局面となっている。

アモリム体制の冷酷さ、フェルナンデスとの不毛な競争

ユナイテッドがマルセイユの扉を閉ざした判断の背景には、アモリム監督の戦術的固執がある。彼が採用する3-4-2-1システムにおいて、メイヌーはブルーノ・フェルナンデスとの直接競争を強いられているのが現実だ。29日午後の記者会見でアモリムは「コビーには残ってもらいたい。彼はポジション争いに勝たなければならない」と語ったが、この発言こそが問題の核心を表している。

フェルナンデスはクラブキャプテンであり、怪我での欠場もほぼない鉄人だ。この状況下でメイヌーが定期的な出場機会を得ることは、現実的に困難を極める。

水曜日のグリムズビー・タウン戦でようやく今季初出場を果たしたものの、プレミアリーグではアーセナル戦、フルハム戦と連続でベンチを温め続けている。

英『Sky Sports』によると、メイヌー自身がクラブへローン移籍を要求したが、ユナイテッド側は完全に拒否したという。2026年ワールドカップでのイングランド代表定着を目指すメイヌーにとって、出場機会の確保は死活問題となっている。

トーマス・トゥヘル監督のもとでワールドカップメンバー入りを狙う中で、デクラン・ライス、ジュード・ベリンガムらとの競争において不利な立場に追い込まれている。

マルセイユ側の諦めも早かった。2度目のアプローチを仕掛ける可能性は低いとされており、ユナイテッドの強硬姿勢が効果的に作用した形。しかし、この判断がメイヌーの将来にとって最善であったかは疑問が残る。

現在、ナポリやユベントスといったセリエAクラブからの関心も報じられているが、いずれもユナイテッドの頑なな姿勢に阻まれている。移籍期限まで残り時間が少ない中で、メイヌーの運命は不透明さを増している。

個人的な見解

私個人として、ユナイテッドの今回の判断には深い疑問を抱いている。マルセイユという素晴らしい舞台でプレーする機会を奪うことは、若手選手の成長機会を制限することに他ならない。

特にデ・ゼルビ監督のような戦術的洞察力に長けた指導者のもとでプレーする経験は、メイヌーのキャリアにとって計り知れない価値をもたらしたはず。

アモリム監督の戦術的革命は理解できるものの、その過程で才能ある若手が犠牲になることは避けるべきだった。メイヌーのような技術的能力に長けた選手こそ、フランスの戦術的環境で更なる成長を遂げる可能性を秘めている。

マルセイユでの挑戦が実現していれば、彼の代表キャリアにも良い影響をもたらしたに違いない。クラブの短期的な利益と選手個人のキャリア形成のバランスを取ることの難しさを痛感する事例となってしまった。この判断が将来的にユナイテッドにとって後悔の種とならないことを願うばかりだ。