ボーンマスの2000万ユーロ提示も一蹴!ミランがヒメネス強気の値付け

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ボーンマスの2000万ユーロ提示も一蹴!ミランがヒメネス強気の値付け Bournemouth

移籍市場最終盤の駆け引きが、サン・シーロで激しさを増している。プレミアリーグのボーンマスが放ったアレックス・ヒメネス獲得への第一弾が、ACミランによって冷徹に跳ね返された。

2000万ユーロ以下のローン+買い取りオプションという提案に対し、ロッソネリが示した回答は明確な拒絶。2500万ユーロという強気の値札が、この若きスペイン人右サイドバックへの期待度を示している。

レッチェ戦のメンバーから完全に外されたヒメネスの状況は、まさに移籍待ったなしの緊迫状態だ。規律上の問題を理由とした今回の除外は、アッレグリ監督の明確なメッセージでもある。

ただし、その価値に対するミランの評価は決して安売りするレベルではない。イタリア紙『La Gazzetta dello Sport』が報じた2500万ユーロという要求額は、クラブが20歳の逸材に抱く期待の大きさを如実に表している。

ボーンマス初回オファー失敗の舞台裏とミランの計算

チェリーズが繰り出した最初の攻勢は、典型的な様子見戦術だった。ローン契約をベースとし、買い取りオプションの総額を2000万ユーロ以下に設定したこの提案は、ミランの首脳陣にとって論外の内容。即座に拒絶されたのも当然の結果だった。

ボーンマス側の誤算は、ヒメネスの市場価値を過小評価していた点にある。確かに規律面での問題を抱え、アッレグリ監督の構想から外れつつある選手だが、その潜在能力は疑いようがない。昨季28試合出場という実績が示すように、セリエAレベルでの適応は既に完了している。

ミランが2500万ユーロという高額設定に踏み切った背景には、複数の計算が働いている。まず、レアル・マドリードとの契約時に設定された来夏1200万ユーロのバイバック条項を考慮すれば、今夏の売却は絶好のタイミングだ。さらに、コモとローマという国内ライバルの存在も、価格交渉を有利に進める材料となっている。

セスク・ファブレガス率いるコモは既に今夏1億ユーロ超の補強を敢行。しかし右サイドバック補強への意欲は衰えていない。一方のローマも、ジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督の要請で新戦力獲得を模索している状況が続いている。

レアル・マドリードの影が落とす移籍市場の複雑な方程式

この移籍劇をさらに複雑化させているのが、白い巨人レアル・マドリードの存在だ。2024年の完全移籍時に組み込まれたバイバック条項は、今夏900万ユーロ、来夏1200万ユーロで行使可能。ただし、La Gazzetta dello Sportの分析では、マドリードがこの条項を実際に発動する可能性は極めて低いとされている。

現在マドリードが保有するのは優先交渉権のみで、他クラブのオファーに対抗するには同額を支払う必要がある。ボーンマスが最終的に2500万ユーロで合意した場合、ベルナベウの首脳陣がこの金額を投じる確率はほぼゼロに近い。

興味深いのは、ヒメネスが他クラブに移籍した瞬間、来夏のバイバック条項が完全に無効化されることだ。ミランにとってこの現象は願ってもない追い風であり、将来的な不安要素を根こそぎ除去できる千載一遇のチャンスでもある。

ボーンマスが現在最有力候補に躍り出ているのは事実。プレミアリーグという最高峰の舞台が、ヒメネスの野心に火をつけているのは間違いない。

ヒメネスという選手を冷静に分析すれば、その価値は決して2000万ユーロ程度で収まるレベルではない。カンテラ仕込みの精密なボールタッチ、現代サッカーに不可欠な攻撃参加能力、そして何より勝負への執念。これらの要素が融合した時の破壊力は、セリエAでも十分に証明済みだ。

確かに気性の荒さや規律面での課題は否定できない。だからこそアッレグリ監督も最終的に見切りをつけた部分がある。しかし、この粗削りな部分こそが、彼の最大の魅力でもある。プレミアリーグの激しいフィジカルコンタクトの中で、この闘争心が真価を発揮する可能性は十分にある。

ミランの強気な姿勢は、単純な金銭的思惑を超えた戦略的判断の表れとも言える。安易な放出ではなく、適正価格での売却を目指す姿勢は、クラブの品格を保つ意味でも重要になる。移籍市場が月曜日に閉幕する今、ボーンマスが再オファーに踏み切るのか、それとも他の有力候補が最後の勝負に出るのか。