ニューカッスル・ユナイテッドが再び若き才能へと照準を合わせている。攻撃陣の補強が注目を集める中、クラブは守備陣にもメスを入れる構えだ。
クラブがターゲットに据えているのは、アタランタに所属する21歳のイタリア代表センターバック、ジョルジョ・スカルビーニ。かねてよりスカウティングを続けてきた存在であり、イタリア人記者マッテオ・モレット氏によれば「非常に関心を持っている」という。
2021年にセリエAデビューを飾ったスカルビーニは、ユース時代からアタランタで育成され、2023年にはU-21以下の最優秀イタリア人選手に選出。193cmという長身と空中戦の強さに加え、前線への推進力やパス精度にも優れた現代的センターバックとして知られている。2024年のヨーロッパリーグ優勝にも貢献し、今や欧州トップクラブの注目株となった。
ガスペリーニ前監督からは「新たなバストーニ」と評され、2023/24シーズンのスタッツでもセンターバックとしてインターセプト数やドリブル成功率でリーグ上位に位置する。ただし、昨季は前十字靭帯断裂と肩の負傷により公式戦出場はわずか8試合。クラブにとっては、その才能と同時にリスクの大きさも無視できないポイントだ。
過去にサウサンプトンからティノ・リヴラメントを獲得したニューカッスルは、似た状況を乗り越えた経験を持つ。2022年にACL損傷で長期離脱していた同選手を2023年に迎え入れ、結果的に見事な復活劇を演じた。スカルビーニもまた、その道をたどることができるのか。
ファビアン・シェアの後継者としての期待が高まる一方で、スヴェン・ボットマンの離脱による苦しい守備陣を抱えるニューカッスルにとっては、計算できる即戦力が必要不可欠な状況だ。その中で、現在のフィジカル状態をどう評価するかが、交渉の鍵を握ることになる。
スカルビーニの契約は2028年まで残っており、アタランタ側もキープレイヤーとして位置付けている。そのため、獲得には4000万〜5000万ユーロの移籍金が必要とされている。アタランタとしては、今夏の放出候補としてエデルソンら他選手を優先する構えも見せており、クラブのスタンスが揺れる瞬間をニューカッスルがどう突くかが焦点となる。
ナポリやインテル、ユヴェントスといったイタリア国内のビッグクラブも獲得レースに参戦する可能性がある中で、イングランド勢が割って入るにはタイミングと決断力が求められる。
現時点では移籍金、フィットネス、競合クラブの動きといった多くの変数が交錯しており、今夏の移籍市場での動きは不透明。2026年1月の冬のマーケットまで持ち越される可能性も指摘されている。
注目のイタリア人DFが次にピッチに立つ場所は、果たしてセリエAのままなのか、それともプレミアの地なのか。移籍市場の喧騒の中で、その未来が徐々に輪郭を帯び始めている。