プレミア屈指の守備者争奪戦勃発!アーセナルとバルセロナが狙うフォレストDFムリージョ

スポンサーリンク
プレミア屈指の守備者争奪戦勃発!アーセナルとバルセロナが狙うフォレストDFムリージョ Arsenal

ノッティンガムの街は、今や一人のブラジル人センターバックの去就によってざわめいている。23歳のムリージョ。2023年夏にコリンチャンスから加入して以来、わずか2シーズンでプレミアリーグ屈指の守備者へと成長した。

24/25シーズンは公式戦38試合に出場し、プレミアリーグでは36試合フルスタメン、計3,191分の出場時間を記録。2ゴールを挙げ、守備だけでなくセットプレーでの得点力も示した。

左足から繰り出されるパスは1,129本成功、成功率79.5%。そのうちロングボールは120本成功し、精度は41.8%。守備面ではタックル成功率67.9%、空中戦勝率65.7%と、対人戦でも安定感を誇る。インターセプト36回、ボール回収142回という数字は、守るだけのセンターバックではなく、攻守の切り替えで主導権を握る存在であることを示している。

このムリージョを巡り、アーセナルとバルセロナが激しい争奪戦を繰り広げていると、海外メディア『CaughtOffside』が報じている。同メディアによれば、両クラブはすでにスカウティングを強化しており、来たる移籍ウィンドウで正式な動きを見せる可能性が高いという。

アーセナルが求める左利きの安定感と競争力

ミケル・アルテタのアーセナルは、ここ数年で守備構築の完成度を高めてきたが、左利きのセンターバックはガブリエウ・マガリャンイス一人に依存しているのが現状。今夏獲得したピエロ・インカピエに期待がかかるものの、まだどこまで通用するかは未知数な段階だ。

アルテタはビルドアップの起点を左右対称に持ちたい指揮官であり、左サイドからの縦パスやサイドチェンジを安定して供給できる選手を常に探してきた。ムリージョはその条件を完璧に満たす存在となる。

彼の特徴は、相手のプレスを受けても慌てず、ワンタッチで中盤に縦パスを通す勇気と技術。24/25シーズンのチャンスクリエイト数は13回、xA(期待アシスト)1.14という数字は、センターバックとしては異例の攻撃参加を示している。これはアルテタが理想とする「ライン間を突くビルドアップ」に直結する能力であり、現有戦力に新たな競争を生む。ガブリエウとのローテーション、あるいは併用によって、アーセナルの守備はより多様性を増すだろう。

さらに、アーセナルはプレミアリーグ制覇を狙う上で、長期的な戦力の安定化を求めている。ムリージョの年齢と成長曲線を考えれば、今獲得すれば5年以上にわたって最終ラインの柱を任せられる可能性が高い。7000万ユーロから8000万ユーロという評価額は決して安くはないが、クラブの未来を見据えれば投資に値する。

バルセロナが描くポスト・イニゴ・マルティネス時代

一方、バルセロナにとってムリージョは、イニゴ・マルティネス退団後の長期的な後継者として理想的な存在。シャビ政権下でのバルサは、若くて技術に優れた選手を積極的に獲得する方針を貫いており、ムリージョの左足の精度と冷静な判断力はまさにその哲学に合致する。

ラ・リーガでは、相手が深くブロックを敷く展開が多く、センターバックにも攻撃の第一歩を担う役割が求められる。ムリージョはノッティンガム・フォレストでの経験を通じ、プレミア特有の激しいプレッシングを受けながらも正確なパスを供給してきた。

特に24/25シーズンのドリブル成功率73.0%は、後方からの持ち上がりで相手のラインを押し下げる力を示している。これをスペインのテンポに適応させれば、バルサの後方からの組み立てはさらに滑らかになるだろう。

また、『CaughtOffside』は、バルセロナが財政的な制約を抱えながらもムリージョ獲得に強い関心を示していると伝えている。8000万ユーロという評価額はクラブにとって大きな負担だが、長期的な戦力価値を考えれば、今動くべき案件と判断しても不思議ではない。

ノッティンガム・フォレストの立場と移籍市場の行方

ノッティンガム・フォレストは現時点で売却の必要性を感じておらず、チェルシーが今夏に提示した正式オファーも拒否している。

しかし、次の移籍ウィンドウが開けば、複数クラブによる本格的な争奪戦が避けられない情勢だ。ムリージョの契約は2029年まで残っており、クラブは交渉の主導権を握っている。だが、選手本人がステップアップを望む場合、その意思を無視することは難しい。

市場価値は現在6,630万ユーロ。この数字は、わずか2年前にブラジルからやってきた若者が、いかに急速に評価を高めたかを示している。プレミアリーグでの経験、ブラジル代表デビューという国際的な実績も加わり、今後さらに価値が上昇する可能性が高い。

個人的な見解

ムリージョのプレースタイルを見ていると、試合の流れを変える起点としての価値が際立っている。左足から繰り出される縦パスは、相手の守備ブロックを一瞬で切り裂く力を持ち、現代サッカーにおいて極めて希少な武器だ。

アーセナルに加入すれば、アルテタの戦術的柔軟性は飛躍的に高まり、バルセロナに行けば、ポゼッションの質を一段引き上げる存在になるだろう。

個人的には、プレミアリーグでの経験をさらに積むことで、彼の対人守備と判断力はより研ぎ澄まされると考えている。

とはいえ、ラ・リーガの環境で技術的な成長を遂げる姿も見てみたい。いずれにせよ、この移籍戦線は単なる補強話ではなく、クラブの未来像を左右する重要な分岐点になるはずだ。

ムリージョがどのユニフォームを纏うのか、その瞬間は欧州サッカーの勢力図に小さくない影響を与えるだろう。