契約残り1年のマルク・グエイ!リバプール、レアル、バイエルンらが激突する移籍戦線

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マルク・グエイ争奪戦勃発!ニューカッスルが一歩リード、チェルシーやトッテナムは静観 Crystal Palace

マルク・グエイの名前が、欧州移籍市場の最前線に再び躍り出ている。クリスタル・パレスのキャプテンであり、プレミアリーグ屈指の対人守備力を誇る25歳のセンターバックは、今夏の移籍市場最終日にリバプール移籍が成立寸前まで進んでいた。

個人条件は既に合意済み、クラブ間でも3500万ポンドで合意に達していたが、パレスが代役確保に失敗。ブライトンからイゴール・フリオをレンタルで迎える計画が破談となり、オリヴァー・グラスナー監督が放出を拒否したことで、交渉は土壇場で頓挫した。

この判断が、移籍市場の力学を一変させた。リバプールは1月の再交渉を視野に入れているが、今や彼らは単独の追走者ではない。

バイエルン・ミュンヘン、バルセロナ、インテル、ユヴェントス、そしてレアル・マドリードが、来夏のフリー移籍を見据えて動き出している。FIFA規定により、国外クラブは2026年1月1日からグエイと直接プレ契約を結べるため、リバプールは半年間の交渉制限という不利な立場に置かれる。

レアル・マドリードの参戦が意味するもの

レアル・マドリードは、既にディーン・ハイセンを獲得し、さらにリバプールのイブラヒマ・コナテにも関心を寄せている。シャビ・アロンソ監督が志向する3バックシステムにおいて、グエイは右ストッパーまたは中央での起用が可能で、対人戦の強さとライン統率力、そしてビルドアップの安定感を兼ね備えている。

過去にもアントニオ・リュディガーやダビド・アラバをフリートランスファーで獲得し、即戦力として組み込んできたレアルにとって、グエイは同様の成功例を再現できる人材だ。移籍金ゼロでの獲得は財務的な負担を軽減し、その分を契約金や年俸に上乗せできるため、選手側にとっても魅力的な条件となる。

さらに、コナテの契約延長交渉が10か月間進展していない現状を踏まえると、レアルはグエイとコナテの両獲りを視野に入れている可能性もあると、スペイン紙『Fichajes』が報じた。これはリバプールにとって二重の打撃となり得る。

リバプールは、フィルジル・ファン・ダイクの後継者候補としてグエイを高く評価してきた。今夏にはジョヴァンニ・レオーニを加えたものの、アーネ・スロット監督は守備陣の層をさらに厚くする必要性を感じている。特に、コナテの契約延長が不透明な中で、グエイの獲得は守備再構築の中核を担う計画だった。

1月に再交渉を行う場合、パレスが代役を確保できるかが最大の焦点となる。ACミランのストラヒニャ・パヴロヴィッチが候補に挙がっているが、冬の移籍市場での即時補強は難易度が高い。もしパレスが売却を拒めば、リバプールは半年後のフリー移籍を狙うしかないが、その場合は国外クラブとの条件競争に巻き込まれる。

グエイのプレースタイルと市場価値

グエイは、1対1の守備対応においてプレミアリーグでもトップクラスの成功率を誇る。相手FWの動きを先読みし、身体をぶつけるタイミングと角度が絶妙で、無理なスライディングに頼らずボールを奪える。加えて、後方からのビルドアップでも冷静さを失わず、縦パスやサイドチェンジで攻撃のスイッチを入れることができる。

市場価値は契約残り1年にもかかわらず高水準を維持しており、今夏のリバプールとの合意額3500万ポンドは、その能力と年齢を考えれば妥当な評価だった。来夏のフリー移籍となれば、移籍金が不要な分、契約金や年俸が高騰するのは必至。

今回のケースは、移籍市場のタイミングと契約制度の複雑さが絡み合った典型例。パレスは短期的には主力を維持できたが、長期的には無償放出のリスクを抱えることになった。リバプールは即戦力補強の機会を逃し、国外クラブは交渉優位の立場を得た。

特にレアル・マドリードは、財務的合理性と戦術的適合性を兼ね備えたアプローチで、グエイ獲得レースの最有力候補に浮上している。バイエルンやバルセロナも同様に、守備の世代交代を進める中でグエイを理想的なピースと見なしている。

個人的な見解

今回のグエイを巡る動きは、移籍交渉の枠を超え、クラブ経営と戦術構築の両面での駆け引きが凝縮されている。

リバプールは守備の将来像を描く上で重要な駒を逃したが、まだ巻き返しの余地はある。1月に動くか、来夏のフリー移籍を狙うか、その判断はコナテの契約延長交渉や今季の成績次第で変わるだろう。

一方で、レアル・マドリードの動きは極めて計算されている。財務的負担を抑えつつ、戦術的に即戦力となる人材を確保するという方針は、過去の成功例に裏打ちされている。

グエイ自身がどのプロジェクトに魅力を感じるかが最終的な決断を左右するが、この争奪戦は2026年夏の移籍市場最大の注目案件になると確信している。