マテタ争奪戦、秋の火蓋:アストン・ヴィラとニューカッスルが狙う“パレスの矛”

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マンチェスター・ユナイテッド、ジャン=フィリップ・マテタ獲得に本腰! パレスで覚醒したフランス人ストライカーに熱視線 Aston Villa

プレミアリーグの序盤戦が熱を帯びる中、移籍市場が終了したにも関わらず、新たな火種がくすぶっている。クリスタル・パレスの絶対的エース、ジャン=フィリップ・マテタ。昨季リーグ戦14ゴールを叩き出し、FAカップ制覇にも大きく貢献したこのフランス人ストライカーに、アストン・ヴィラとニューカッスル・ユナイテッドが強い関心を示していると、英『CaughtOffside』が伝えた。

パレスで築いた揺るぎない地位

マテタは192cmの長身と柔軟な足技を兼ね備えた稀有なストライカーだ。ポストプレーで味方を生かし、ペナルティエリア内では一瞬の判断でゴールネットを揺らす。

2024-25シーズンは、プレミアリーグやFAカップなどを通じて、46試合で17ゴール4アシストとエースとしての役割を果たした。また、今夏の移籍市場においては、移籍の噂が飛び交っていたが、最終的にはロンドンに残留した。

アストン・ヴィラは、ウナイ・エメリ監督の下で戦術的な完成度を高めつつあるが、昨季は上位争いの中で決定力不足が露呈した。特にビッグマッチでの勝ち切る力を補うため、フィニッシュの質を高められるストライカーの獲得が急務とされている。 マテタはヴィラ・パークでの直接対決でも活躍しており、その試合後、ヴィラのスカウト陣が詳細なパフォーマンス分析を行ったとの情報もある。彼の高さとフィジカルは、エメリの4-2-3-1においてターゲットマンとして機能するだけでなく、カウンター時の推進力としても計算できる。

一方、ニューカッスル・ユナイテッドはチャンピオンズリーグ出場を向けた補強戦略を展開している。エディ・ハウ監督は既存の前線に加え、異なるタイプのストライカーを求めている。マテタの空中戦能力と、密集地帯での冷静なフィニッシュは、欧州の舞台でも通用する武器と評価されている。 さらに、ニューカッスルは豊富な資金力を背景に、移籍金と給与面でパレスに強いプレッシャーをかけられる立場にある。クラブ関係者によれば、すでに代理人との非公式な接触が行われ、条件面のすり合わせが進んでいるという。

パレスの立場:延長交渉と板挟み

クリスタル・パレスは当然ながらマテタの流出を避けたい。クラブは契約延長オファーを提示し、年俸アップとボーナス条件の改善を図っている。しかし、選手本人は「キャリアの次のステップ」を慎重に見極めている段階。 パレスにとって、マテタはただの得点源ではない。彼の存在は戦術の軸であり、若手選手の精神的支柱でもある。放出はチーム全体のバランスを崩しかねず、延長交渉はクラブの今季最大の課題のひとつとなっている。

マテタの市場価値は現在約4,500万ポンドと推定されるが、パレスは最低でも5,500万ポンド以上を要求するとみられる。ヴィラもニューカッスルも、この額を即金で支払える資金力を持つが、問題はタイミングだ。冬の移籍市場での動きとなれば、パレスは代替選手の確保が難しく、交渉は一層複雑化する。

マテタは公の場で移籍について多くを語っていないが、近しい関係者によれば「欧州の舞台で自分を試したい」という思いがあるという。ヴィラもニューカッスルも、その条件を満たす可能性を秘めており、選手の心を揺さぶる要素は十分だ。

個人的な見解

マテタの去就は、今冬の移籍市場を象徴するテーマになると感じている。彼は単なるストライカーではなく、チームの戦術的中核であり、精神的支柱でもある。

パレスがFAカップを制した背景には、彼の得点力だけでなく、試合の流れを読む嗅覚と、仲間を鼓舞する存在感があった。こうした選手を冬に手放すことは、順位争いにおいて致命的な影響を及ぼしかねない。

一方で、移籍市場は感情だけで動かない。パレスが財政的な飛躍を狙うなら、今が売り時である可能性も否定できない。

個人的には、マテタがグラスナーの下でさらなる進化を続ける姿を見たい。彼がこの冬も残留し、来季のパレスがヨーロッパの舞台に挑むシナリオは、クラブ史に新たなページを刻むはず。

だが、もし移籍が現実となれば、その先で彼がどのように新天地を切り拓くのかもまた、興味深い物語になるだろう。