ルベン・ネヴェスの名前が再びプレミアリーグの移籍市場を賑わせている。サウジ・プロリーグのアル・ヒラルに所属する28歳のポルトガル代表MFは、契約が2026年6月まで残っているものの、クラブ側が来夏のフリー移籍を避けるために今冬の放出を検討している。
トッテナム・ホットスパーは、トーマス・フランク監督の下で新たな中盤の軸を探しており、ネヴェスはその最有力候補に浮上している。英『TBR Football』によれば、移籍金は1700万ポンドから2000万ユーロ程度と見込まれており、プレミアで175試合以上の経験を持つネヴェスをこの価格で獲得できるのは「掘り出し物」と評されている。
ネヴェスはウルヴァーハンプトン時代、試合のテンポを自在に操るプレーメーカーとして評価を確立した。1試合平均60本以上のパスを成功させ、成功率は85%を超える安定感。さらにロングパスの精度はリーグ屈指で、相手の守備ブロックを一撃で切り裂く力を持つ。加えて、ペナルティエリア外からの強烈なシュートは、数々のハイライトを生み出してきた。
トッテナムは今季、ジョアン・パリーニャやルーカス・ ベリヴァルといった戦力を抱えているものの、依然として中盤の安定性に課題を抱えている。特に試合を落ち着かせる「ゲームコントローラー」の不在は顕著であり、ネヴェスの加入はその穴を埋める最適解となる。
マンチェスター・ユナイテッド、ニューカッスルも参戦
一方で、トッテナムだけがネヴェスを狙っているわけではない。マンチェスター・ユナイテッドも強い関心を示しており、ルベン・アモリム監督が中盤の整理を急務と考えてい。カゼミーロの衰えが指摘される中、ブルーノ・フェルナンデスをより攻撃的に解放するためには、後方で試合を安定させられる存在が不可欠だ。ネヴェスはその役割を完璧に担える人材であり、ユナイテッドにとっても理想的な補強候補となる。
ニューカッスル・ユナイテッドもまた、ブルーノ・ギマランイスやサンドロ・トナーリといったタレントを抱えながらも、試合をコントロールするタイプの選手を欠いている。ネヴェスの加入は、彼らの中盤に経験と安定感をもたらし、欧州カップ戦での競争力を一気に高める可能性がある。
ただし、障害も存在する。アル・ヒラルはネヴェスを「プロジェクトの中心」と位置づけており、簡単に放出する意思を示していない。さらに、彼の週給は約33万ユーロとされ、給与面での調整が移籍交渉の大きな焦点となる。それでも、本人が欧州復帰を強く望んでいることから、交渉の余地は十分に残されている。
個人的な見解
ルベン・ネヴェスの移籍話は、プレミアリーグの勢力図を左右する可能性を秘めている。
彼はウルヴズ時代から「中堅クラブの心臓」として評価されながら、ビッグクラブへの移籍が実現しなかった稀有な存在だ。
28歳というキャリアのピークに差し掛かる今、ようやくその扉が開かれようとしている。
トッテナムに加入すれば、彼は即座に中盤の支配者となり、フランク監督の戦術を一段引き上げるだろう。
ユナイテッドに行けば、ブルーノ・フェルナンデスとのポルトガル・コンビが新たな化学反応を生むかもしれない。
ニューカッスルに加われば、欧州カップ戦での競争力を一気に高める。いずれの選択肢も魅力的だが、私の見立てでは、トッテナムが最も彼を必要としている。
移籍市場は常に不確実性を孕むが、ネヴェスのプレミア復帰は時間の問題だと感じる。
彼の視野の広さ、試合を落ち着かせる冷静さ、そして勝負を決める一撃。これらはどのクラブにとっても代えがたい武器であり、冬の移籍市場最大の注目ポイントとなるだろう。
