マンチェスター・シティはジョン・ストーンズとの契約延長交渉を進めている。英『SportsMole』の報道によれば、現行契約は2026年夏まで残っているものの、クラブはすでに延長を視野に入れており、2027年までの新契約を提示する可能性が高いとされる。
2016年にエヴァートンから加入したストーンズは、当時4,750万ポンドという高額移籍金で注目を集めた。以来、公式戦230試合以上に出場し、プレミアリーグ6度、FAカップ2度、EFLカップ2度、さらにチャンピオンズリーグやクラブワールドカップ制覇と、クラブの黄金期を支えてきた。ペップ・グアルディオラの下で進化を遂げた彼は、センターバックとしての堅実さに加え、偽サイドバックや中盤の一角としても機能する柔軟性を備えている。
特に2022-23シーズンのトレブル達成時には、ロドリと並んで中盤に立ち、3-2-4-1システムを支えるキーマンとなった。パス成功率は92％を超え、1試合平均のボールタッチ数は85回に達し、守備者でありながら中盤の選手に匹敵する影響力を発揮した。こうしたデータは、彼が単なる守備者ではなく、シティの戦術的アイデンティティを体現する存在であることを示している。
契約延長が意味するクラブの未来像
ストーンズは31歳を迎え、負傷に悩まされる時期もあったが、グアルディオラは彼を「お気に入りの選手」と評し、契約延長を強く望んでいると報じられている。クラブにとって彼の存在は、戦術的な柔軟性だけでなく、経験豊富なリーダーシップを維持する意味でも欠かせない。
あくまで戦力維持ではなく、クラブの哲学を継承し続けるための布石でもある。ストーンズの延長交渉もその一環であり、彼が残ることでシティの守備ラインは安定し、若手選手にとっても模範となる存在が確保される。
また、ストーンズの契約延長は、クラブの財政的な観点からも合理的だ。彼をフリーで失えば移籍金収入はゼロとなるが、延長によって資産価値を維持できる。
さらに、彼の給与は週給25万ポンドとされるが、クラブの最高額水準に並ぶ新契約が提示される可能性もある。これは、彼の戦術的価値とクラブへの忠誠心を評価した結果だといえる。
個人的な見解
ジョン・ストーンズの契約延長交渉は、シティにとって戦術的・象徴的な意味を持つ。彼は単なるベテランではなく、ペップ・グアルディオラ体制を象徴する存在であり、クラブの黄金期を共に築いた選手だ。
彼が残ることで、シティは戦術的な柔軟性を維持し、経験豊富なリーダーを更衣室に残すことができる。
一方で、ストーンズ自身にとっても契約延長はキャリアの集大成をシティで迎える決断となる。負傷歴や出場機会の減少といった課題はあるが、彼がピッチに立つときの安定感と存在感は揺るぎない。
個人的には、彼がシティでキャリアを全うし、クラブ史における最重要ディフェンダーの一人として名を刻む姿を見たい。契約延長が実現すれば、彼はシティの未来を支える象徴であり続けるだろう。