レアル・マドリードが、チェルシーの中盤を支えるエンソ・フェルナンデスとモイセス・カイセドに本格的な関心を寄せていると、英『TBR Football』が報じた。スペインの名門はこの南米デュオをセットで獲得する構想を練っており、その移籍金は最低でも165億円超に達する可能性がある。マドリードはすでにスカウト陣を派遣し、両選手のパフォーマンスを継続的に追跡しているようだ。
エンソとカイセドは、エンツォ・マレスカ監督のもとでチェルシーの中盤に欠かせない存在となった。2023年夏に加入した当初は連携面で課題もあったが、現在ではプレミアリーグ屈指のコンビネーションを誇る。エンソは試合のテンポを操る司令塔として、カイセドは守備と展開の要として機能し、両者の連携はチームの心臓部そのものだ。
エンソ・フェルナンデスとモイセス・カイセドの“完成された素材”としての価値
エンソ・フェルナンデスは、アルゼンチン代表としてワールドカップ優勝を経験し、チェルシーでもキャプテンとしての役割を担う。今季はすでに複数のゴールとアシストを記録し、攻守両面での貢献度は群を抜いている。彼の視野の広さ、パスの精度、そして試合の流れを読む力は、トニ・クロースに近いものを感じる。
一方のモイセス・カイセドは、エクアドル代表監督セバスティアン・ベカセッセが「世界トップ3の守備的MF」と称賛するほどの実力者。加入当初は苦戦もしていた印象だが、マレスカのもとで絶対的なレギュラーとして活躍中。
プレミアリーグで最もタックル成功率が高く、守備的局面での読みと反応速度は圧巻だ。彼のプレースタイルは、カゼミロの全盛期を彷彿とさせるものがあり、マドリードの中盤に再び“壁”を築く可能性を秘めている。
両者ともに、単なる若手有望株ではなく、すでにトップレベルで結果を残している“完成された素材”だ。彼らの加入は、ジュード・ベリンガムとの相乗効果を生み、マドリードの中盤に新たな黄金期をもたらす可能性がある。
レアル・マドリードの補強戦略とチェルシーの抵抗
レアル・マドリードは、クロースとモドリッチという黄金期の中盤を失った今、新たな軸を探している。ジュード・ベリンガムの台頭はあるものの、中盤全体の厚みとバランスを考えると、さらなる補強は不可欠だ。その中で、エンソとカイセドという“即戦力かつ将来性のある”デュオは、理想的なターゲットと言える。
しかし、チェルシーがこの二人を同時に手放す可能性は極めて低い。クラブは彼らを“非売品”と位置づけており、仮に放出する場合でも、破格のオファーが必要になる。実際、レアルはエンソ獲得に向けてアルダ・ギュレル+4000万ユーロというパッケージを準備しているとの報道もあるが、それでもチェルシーが首を縦に振るかは不透明。
さらに、カイセドは2031年まで契約を結んでおり、クラブは彼に新契約を提示する準備も進めている。つまり、レアルがこの二人を同時に獲得するには、クラブ史上最大級の投資が必要になるだろう。加えて、チェルシーはロメオ・ラヴィアやアンドレイ・サントス、ダリオ・エスーゴといった若手も抱えており、中盤の層は厚いが、エンソとカイセドはその中でも別格の存在だ。
このような状況下で、レアルがどのような交渉戦略を取るのかが注目される。金額の提示ではなく、選手の希望やプロジェクトの魅力をどう伝えるかが鍵になる。特に南米出身の選手は、スペインへの移籍に強い憧れを持つ傾向があり、マドリードのブランド力は交渉を後押しする要素となるだろう。
個人的な見解
レアル・マドリードの補強戦略がいよいよ本格化していることを示している。
エンソ・フェルナンデスとモイセス・カイセドは、すでにプレミアリーグで結果を残している完成された選手たちであり、彼らの加入はマドリードの中盤に新たな命を吹き込む可能性を秘めている。
とはいえ、チェルシーがこの二人を同時に手放すとは考えにくい。現実的には、どちらか一人に絞った交渉になるだろう。
個人的には、エンソの方がマドリードのスタイルにフィットすると感じる。彼のパスセンスと試合運びの巧さは、ラ・リーガでこそ輝くはずだ。
カイセドも魅力的だが、彼のフィジカルと守備力はプレミアリーグ向きであり、スペインではやや持ち味が薄れる可能性もある。
いずれにせよ、2026年夏の移籍市場は、レアル・マドリードの中盤補強を巡って大きな動きがあるだろう。ファンとしては、どんな決断が下されるのか、今から楽しみで仕方がない。
そして、もしこの“青の双璧”が白いユニフォームに袖を通す日が来るなら、それはラ・リーガ全体の勢力図を塗り替える瞬間になるかもしれない。
