ガブリエウ・ジェズス、アーセナルでの未来を失いエヴァートン移籍が加速

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ウェストハムとエヴァートンが、アーセナルで放出候補のガブリエウ・ジェズスに注目か!? Arsenal

ガブリエウ・ジェズスのアーセナルでの立場は完全に揺らいでいる。2022年にマンチェスター・シティから加入した当初、彼はミケル・アルテタの戦術における象徴的な存在だった。前線からのハイプレス、味方を生かすポストプレー、そして献身的な守備。数字以上にチームを躍動させる存在として、エミレーツの観客を熱狂させた。

しかし、2025年1月のFAカップでマンチェスター・ユナイテッド戦中に負った前十字靭帯断裂がすべてを変えた。長期離脱の間にアーセナルはヴィクトル・ギェケレシュを獲得し、さらにエベレチ・エゼを加えたことで攻撃陣は刷新された。復帰したジェズスには居場所がなく、アルテタの構想から外れたことは明白。

イタリアメディア『AS Roma Live』によれば、アーセナルはジェズスの移籍金を2500万〜3000万ポンドに設定しており、ACミランは高額すぎると判断した一方で、エヴァートンが本格的に交渉を進めている。

新オーナーであるフリードキン・グループの下、デイヴィッド・モイーズ監督は即戦力のストライカーを求めており、ジェズスはその条件に合致する。

エヴァートンが求める救世主とジェズスの再生の可能性

エヴァートンは長年にわたり前線の不安定さに苦しんできた。ドミニク・カルヴァート=ルーウィンは慢性的な負傷に悩まされ、契約満了で退団。ベトがレギュラーに定着し、ティエルノ・バリーも加わったものの、ストライカーの枚数が潤沢とは言えず、プレミアリーグ残留以上を狙うには攻撃の立て直しが急務となっている。

ジェズスは過去2シーズンで公式戦15得点にとどまり、ストライカーとしての数字は物足りない。しかし、彼の真価はゴール数だけでは測れない。前線からの圧力、相手DFを翻弄する動き、そして味方を生かす柔軟なプレーは、停滞したエヴァートンの攻撃に新たなリズムをもたらす可能性がある。

さらに、モイーズ監督は今季ジャック・グリーリッシュを再生させた。ジェズスにとっても、グディソン・パーク改めヒル・ディキンソン・スタジアムでの挑戦はキャリアを立て直す絶好の舞台となり得る。エヴァートンのファンは、得点力だけでなく、チーム全体を活性化させるエネルギーを持つ選手を待ち望んでいる。

アーセナルにとっても、今が売却の好機。ギェケレシュがスタメンに名を連ね、ブカヨ・サカやガブリエウ・マルティネッリが両翼を支配する中で、ジェズスの役割は限定的になった。さらにカイ・ハヴァーツというオプションもあり、前線のオプションは十分。2500万〜3000万ポンドという移籍金は、クラブにとって再投資の資金源となる。

個人的な見解

ガブリエウ・ジェズスのキャリアは、常に「再出発」と隣り合わせだった。

マンチェスター・シティではセルヒオ・アグエロの後継者として期待されながらも、最後は控えに回り、アーセナルでは主役として迎えられながらも負傷と競争に押し出された。

だが、彼のプレースタイルは数字以上にチームを活性化させる力を持っている。エヴァートンのように前線の流動性を欠くチームにとって、ジェズスの存在は攻撃の停滞を打破する起爆剤となり得る。

もちろんリスクはある。ACLからの復帰後に再びトップフォームを取り戻せる保証はなく、3000万ポンドという投資は決して小さくない。

しかし、エヴァートンが本気でプレミアリーグ中位以上を狙うのであれば、ジェズスのような経験豊富なストライカーを迎えることは理にかなっている。

個人的には、彼がヒル・ディキンソン・スタジアムで再び輝きを取り戻す姿を見たい。もしモイーズが彼の強みを最大限に引き出せれば、ジェズスは「過去のスター」ではなく「再生の象徴」として新たな物語を紡ぐはずだ。