セビージャの育成組織から頭角を現したサンチェス・ベラスコは、22歳にしてすでにラ・リーガで80試合以上に出場し、攻守両面で存在感を示してきた。右サイドバックを主戦場としながらも、ウイングやインサイドハーフでもプレー可能な柔軟性を持ち、現代サッカーにおいて極めて価値の高い選手だ。
その万能性に目をつけたのが、プレミアリーグのクラブたちである。数週間前にクリスタル・パレスが関心を示したのに続き、現在はエヴァートンも獲得に動いていると、スペイン紙『Fichajes』が報じている。さらに、過去にはリヴァプールがアレクサンダー=アーノルドの後継候補としてリストアップしていたこともあり、プレミアでの評価は一貫して高い。
エヴァートンとクリスタル・パレスの補強戦略
エヴァートンにとって、右サイドの補強は急務だ。シェイマス・コールマンのキャリア終盤、ナサン・パターソンの負傷続きという状況を考えれば、即戦力かつ将来性を兼ね備えたサンチェス・ベラスコは理想的なターゲットとなる。彼の推進力と守備の安定感は、モイーズ監督が求める堅実なサッカーにフィットするだろう。
一方、クリスタル・パレスはヨーロッパ大会での戦いを視野に入れ、選手層の厚みを増す必要がある。ダニエル・ムニョスの存在はあるものの、シーズンを通して戦うにはもう一人の高水準な右SBが不可欠だ。サンチェス・ベラスコの縦への突破力とクロス精度は、攻撃の幅を広げる要素として大きな魅力になる。
リヴァプールが過去にサンチェス・ベラスコを注目した背景には、アレクサンダー=アーノルドの戦術的な変化がある。中盤での起用が増える中、純粋な右SBのオプションを確保する必要性が浮上していた。サンチェス・ベラスコは、アレクサンダー=アーノルドほどのキック精度はないものの、守備と攻撃のバランスに優れ、ハイライン戦術にも適応可能なスピードと判断力を備えている。
サンチェス・ベラスコの契約は2029年まで残っており、セビージャとしては簡単に手放すつもりはない。しかし、『Transfermarkt』による市場価値は1200万ユーロとされ、プレミアリーグの資金力を考えれば十分に手が届く範囲だ。交渉のスタートラインは2000万ユーロ前後になると見られており、今後の展開次第では冬の移籍市場で動きが加速する可能性が高い。
個人的な見解
サンチェス・ベラスコは、プレミアリーグのクラブが求める条件をすべて満たしている。
若さ、実績、柔軟性、そして成長余地。特にエヴァートンやクリスタル・パレスのように、即戦力と将来性を両立させたいクラブにとっては、これ以上ないターゲットだ。
個人的には、彼がプレミアに渡れば短期間で適応し、リーグの強度にも対応できると考えている。
守備の堅実さに加え、攻撃面での積極性はイングランドのファンに強い印象を残すだろう。今後数年で、彼の名前がプレミアの舞台で頻繁に聞かれるようになるのは間違いない。
