レアル・マドリードの補強戦略は明確になりつつある。スペイン紙『Fichajes』の報道によれば、クラブはクリスタル・パレスの主将マルク・グエヒを来夏の最優先ターゲットに据えている。
25歳のイングランド代表センターバックは、2026年6月で契約が満了する見込みで、クラブとの延長交渉は進んでいない。すでに本人は契約更新を拒否したとされ、フリートランスファーでの移籍が現実味を帯びている。
レアル・マドリードがグエヒに注目する背景には、守備陣の世代交代がある。アントニオ・リュディガーとダビド・アラバは契約満了を控えており、クラブは2026年以降の最終ラインを再構築する必要に迫られている。
さらに、グエヒはプレミアリーグで主将を務める経験を持ち、リーダーシップと安定感を兼ね備えた存在だ。リヴァプールは今夏の移籍市場で獲得寸前まで迫ったが、クリスタル・パレスが代役を確保できず破談となった経緯がある。その後もバルセロナやバイエルン・ミュンヘンが関心を示しており、欧州のトップクラブがこぞって狙う状況にある。
マルク・グエヒのプレースタイルと欧州での評価
グエヒの最大の特徴は、対人守備の強さと冷静な判断力だ。空中戦勝率はプレミアリーグでも上位に位置し、1対1の局面でも高い成功率を誇る。加えて、後方から縦パスを通すビルドアップ能力は、ポゼッションを重視するレアル・マドリードの戦術に適合する。単なる守備固め要員ではなく、攻撃の起点としても機能できる点が評価されている。
また、グエヒは精神的な強さも際立つ。クリスタル・パレスでは若くしてキャプテンを任され、チームを統率する姿勢はプレミアリーグでも高く評価されている。リヴァプール戦でエディ・エンケティアの決勝点をアシストするなど、守備だけでなく試合を決定づける場面でも存在感を発揮している。こうした多面的な能力が、欧州のビッグクラブを惹きつけてやまない理由だ。
さらに、移籍市場での価値も注目に値する。現在の推定市場価値は約4200万ユーロとされるが、フリートランスファーで獲得できる可能性があるため、クラブにとっては破格の補強となる。財政的なリスクを抑えつつ、即戦力かつ将来性のある選手を確保できる点は、フロレンティーノ・ペレス会長が描く補強戦略に合致している。
個人的な見解
マルク・グエヒの去就は、2026年夏の移籍市場を大きく揺るがすだろう。リヴァプール、バルセロナ、バイエルンといった欧州の名門が競り合う中で、レアル・マドリードがどのように交渉を進めるかは注目に値する。
特に、本人が「レアル・マドリードでプレーする夢」を抱いていると報じられている点は、クラブにとって大きな追い風になる。
個人的には、グエヒがベルナベウに加われば、守備の安定感だけでなくチーム全体のバランスが大きく改善されると考えている。
リュディガーやアラバの後継者としてだけでなく、エデル・ミリトンやアントニオ・シウヴァら若手と競争しながら成長できる環境は、彼にとっても理想的だ。欧州制覇を狙うレアル・マドリードにとって、グエヒの加入は未来を切り拓く一手になる可能性が高い。