グエヒ去就不透明、クリスタル・パレスが狙うのはウェストハムの守備大黒柱マックス・キルマン

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グエヒ去就不透明、クリスタル・パレスが狙うのはウェストハムの守備大黒柱マックス・キルマン Crystal Palace

クリスタル・パレスは再び移籍市場の渦中に立たされている。クラブの守備の要であるマルク・グエヒは、夏の移籍最終日にリヴァプール移籍が成立寸前まで進んだが、最終局面で破談となった。だが、リヴァプールを含む複数のビッグクラブが依然として強い関心を寄せており、冬の移籍市場で再び動きがある可能性は極めて高い。

その中で浮上しているのが、ウェストハム所属のマックス・キルマンだ。英『Football Insider』の最新報道によれば、パレスはすでにキルマンをリストアップし、グエヒの後釜として本格的に調査を進めている。

28歳のキルマンは左利きのセンターバックとしてプレミアリーグで確固たる地位を築いており、空中戦の強さ、冷静なビルドアップ、そしてリーダーシップを兼ね備えた存在だ。契約は2031年まで残っており、2024年に4000万ポンドで加入した経緯を考えれば、獲得には巨額の資金が必要となる。

キルマン獲得の難しさと戦術的な意味

ウェストハムの現状を踏まえると、パレスの挑戦は容易ではない。クラブは今季序盤から苦戦を強いられ、降格圏に沈んでいる。ヌーノ・エスピリト・サント新監督はチーム再建の中心にキルマンを据えており、ウルヴス時代にキャプテンを任せた信頼関係を再び築こうとしている。つまり、ウェストハムにとってキルマンはクラブの精神的支柱であり、放出は極めて考えにくい。

しかし、パレスにとってキルマンは理想的な補強ターゲットになり得る。左利きであるため、オリヴァー・グラスナー監督が採用する3バック、4バックの両システムに柔軟に対応できる。守備時の1対1の強さに加え、ラインを押し上げる際のパス精度は、パレスの攻撃構築に新たな選択肢を与える。さらに、経験豊富な彼の存在は、若手が多い守備陣に安定感と安心感をもたらすだろう。

経済的な側面も無視できない。グエヒ売却で得られる資金をそのままキルマン獲得に充てるシナリオは現実的だが、ウェストハムが降格争いを続ける中で主力を手放す可能性は低い。

むしろ、パレスが市場価格を大幅に上回るオファーを提示しても拒否されるリスクがある。つまり、これは単なる代替案ではなく、クラブの野心と財政力を試す挑戦でもある。

個人的な見解

今回の動きは、クリスタル・パレスがどのようなクラブとして未来を描こうとしているのかを示す象徴的な事例だと感じる。

グエヒはすでにイングランド代表としての地位を確立し、リヴァプールをはじめとするトップクラブからの関心は今後も続くだろう。その穴を埋めるには、同等の実力と経験を持つ選手が不可欠であり、キルマンはまさにその条件を満たす存在。

ただし、現実的には獲得のハードルは極めて高い。ウェストハムの苦境、契約期間、そしてヌーノ監督の信頼を考えれば、1月での移籍成立は難しいだろう。

むしろ、来夏に向けた布石としての調査と見る方が自然だ。とはいえ、こうした動きが示すのは、パレスがもはや残留争いに甘んじるクラブではなく、確固たる野心を持ってプレミアリーグの中堅から上位を狙う姿勢だ。

グエヒの去就とキルマンの動向は、今後のクラブの方向性を大きく左右することになるだろう。