マンチェスター・ユナイテッドで存在感を失いつつあるイングランド代表FWマーカス・ラッシュフォード。アストン・ヴィラでのレンタル移籍でキャリアが再び輝き始めており、今夏の移籍市場で、その去就が大きな注目を集めている。
注目すべきは、彼が強く望んでいるとされるスペインの名門バルセロナへの移籍。なんと、クラブの財政事情に配慮し、自ら給与の大幅カットを受け入れる覚悟を決めたという。夢のラ・リーガ挑戦に向け、並々ならぬ決意を見せている。
イングランド国内では、半年間過ごしたアストン・ヴィラをはじめ複数クラブがラッシュフォードに関心を示している。さらにはサウジアラビアのビッグマネーオファーも取り沙汰されているが、本人は「スペインの王者」バルセロナへの移籍を最優先している模様だ。
西『Mundo Deportivo』によると、ラッシュフォードはカンプ・ノウでのプレーを実現させるため、週給31万5000ポンドという高額サラリーを大幅に削減する用意があるという。これは、クラブが抱える1:1の移籍ルール(選手売却と補強のバランス)を乗り越えるための重要な条件となりそうだ。
今季後半戦、ラッシュフォードはアストン・ヴィラに半年間のローン移籍で加入。ウナイ・エメリ率いるチームで印象的なパフォーマンスを見せ、チャンピオンズリーグ出場権争いにも貢献している。
ヴィラはラッシュフォードの給与の約75%を負担しており、残りをユナイテッドが支払う形で契約が成立している。しかし、完全移籍の判断はシーズン終了後まで持ち越されており、バルセロナにとっては割って入るチャンスが残されている。
ユナイテッドが設定する移籍金は約4000万ポンド
マンチェスター・ユナイテッドは、ラッシュフォードの放出に前向きであるとされ、移籍金として4000万ポンドを設定している。この金額は、アストン・ヴィラに与えられている買取オプションと同額だが、排他的な交渉権は付帯されていないため、バルセロナを含む他クラブにも門戸が開かれている状況だ。
とはいえ、財政制約の中にあるバルセロナにとっては、他選手の売却が前提条件。ハンジ・フリック監督が構想にラッシュフォードを組み込む意志を示しているとされる一方で、まずはチームの整理が求められる。
財政的な柔軟性を確保するため、バルセロナはローン移籍での獲得を検討しているという。2025-26シーズン終了時の買取オプションを含めた形で交渉を進める可能性が浮上しており、これはクラブの資金繰りと選手補強の両立を狙った現実的なアプローチだ。
一方、ラッシュフォードにとっても、欧州の舞台で再び輝きを取り戻すチャンスであり、彼自身もスペイン行きに強い意欲を燃やしている。
移籍成立の最大のカギは、バルセロナがどれだけスムーズに現有戦力を整理できるかにかかっている。フリック監督の下で再編が進む中、ラッシュフォードのようなスピードと決定力を兼ね備えたアタッカーは、理想的な補強ターゲットとなる。
給与カットに応じるラッシュフォードの姿勢も、クラブにとっては大きな魅力。新天地を求める元エースの動向は、今夏の移籍市場において大きな話題となることは間違いない。