契約解除金4300万ポンド、ロビーニョ・ジュニオールを巡るリヴァプールとチェルシーの熾烈な攻防

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契約解除金4300万ポンド、ロビーニョ・ジュニオールを巡るリヴァプールとチェルシーの熾烈な攻防 Chelsea

サントスの17歳FWロビーニョ・ジュニオールを巡る動きが、欧州サッカー界の移籍市場を大きく揺さぶっている。父ロビーニョの名を背負いながらも、彼はすでに独自のプレースタイルを確立し、リヴァプールとチェルシーが本格的に獲得を検討していると、ブラジルメディア『UOL Esporte』が報じている。

サントスは今年7月に彼との契約を2027年4月まで延長し、さらに契約解除金を4300万ポンドに設定した。この金額はプレミアリーグのクラブにとって決して不可能ではないが、17歳の選手に投じるには極めて大きなリスクを伴う。にもかかわらず、両クラブが強い関心を示すのは、彼のポテンシャルがそのリスクを上回ると確信しているからにほかならない。

ロビーニョ・ジュニオールは左ウイングを主戦場とし、細かいタッチで相手を翻弄するドリブル、そしてゴール前での冷静なフィニッシュが持ち味だ。父譲りの華やかさに加え、守備への献身や戦術理解度の高さは現代サッカーに適応した新世代の資質を示している。さらに、ネイマールが彼のメンター役を務めていると報じられており、その影響も成長を加速させている。

リヴァプールとチェルシーの戦略的背景

リヴァプールはアルネ・スロット監督の下で世代交代を進めており、フロリアン・ヴィルツやドミニク・ソボスライといった若手タレントを中心に新たな中盤を形成している。そこにロビーニョ・ジュニオールを加えることで、攻撃の幅をさらに広げたい意図が見える。特に、ルイス・ディアスが退団した左サイドの後継者候補として彼を確保することは理にかなっている。

一方のチェルシーは、トッド・ベーリー体制下で若手獲得に巨額を投じてきた。エンソ・フェルナンデスやモイセス・カイセドに続き、将来性豊かな南米市場からの補強はクラブの方針と一致する。

サントスでの出場機会が限られているにもかかわらず、彼を早期に囲い込むことで、他クラブに先んじて育成の主導権を握ろうとしているのだ。

ただし、サントスは交渉において強気の姿勢を崩していない。契約延長と高額な解除金設定により、クラブは完全に主導権を握っている。

現実的には4300万ポンドを満額で支払うクラブは少ないと見られるが、リヴァプールやチェルシーが分割払い、ボーナス条項、将来的な売却益分配などを組み合わせた柔軟なオファーを提示する可能性は高い。

個人的な見解

リヴァプールにとっては、攻撃の刷新を進める中で「次世代の左ウイング」を確保する意味があり、チェルシーにとっては「南米市場からの即時投資」というクラブ方針を体現する存在になる。

ただし、私が注目したいのは、彼が父ロビーニョの「二世選手」という枠を超えられるかどうかだ。

父の名声は大きな後押しである一方、比較され続ける宿命も背負う。しかし、彼のプレーにはすでに独自の色があり、特に守備への献身や戦術理解度の高さは父とは異なる強みだ。

もしリヴァプールやチェルシーといった戦術的要求の高いクラブで成長できれば、単なる「ロビーニョの息子」ではなく、ひとりのスターとして欧州を席巻する可能性がある。

この移籍劇は、金額や契約条件だけでなく、選手本人のキャリア選択にも大きく左右されるだろう。彼がどのクラブを選ぶにせよ、欧州サッカーの未来を語る上で欠かせない存在になることは間違いない。