イラン・メリエのキャリアは、ここ数年で劇的に変貌した。2019年にロリアンから加入し、マルセロ・ビエルサの下で正守護神の座を掴んだ彼は、2020年以降のリーズを象徴する存在だった。だが2024-25シーズン、凡ミスが重なり信頼を失う。
プレミアリーグに昇格したクラブにおいて、守護神の座を新加入のルーカス・ペリやベテランGKカール・ダーロウの遅れをとっており、いまだにピッチでの出番に恵まれていない。明らかにチーム内での序列は落ちている。
今季はペリの負傷で一時的にベンチ入りしたものの、実際にゴールを守ったのはダーロウ。ペリが復帰すれば、メリエは再びベンチ外に追いやられる見通しだ。かつて「未来のフランス代表正GK」とまで称された男が、25歳にしてキャリアの暗転を迎えている。
セルティックが描く再生のシナリオ
セルティックは、メリエを来年1月の移籍市場で獲得する構想を練っている。現守護神カスパー・シュマイケルは38歳を迎え、経験豊富ながらも反射神経や持久力の衰えは否めない。クラブは次世代の守護神を探しており、メリエはその条件に合致する。
189cmの長身を活かしたハイボール処理、至近距離での反応速度は今も健在だ。課題は精神的な安定感だが、国内で圧倒的な支配力を誇るセルティックであれば、プレッシャーを軽減しながら再生を図れる可能性がある。さらにチャンピオンズリーグという大舞台は、彼にとって再び名を轟かせる格好の舞台となる。
リーズは今夏、メリエを売却する意向を持っていたが、適切なオファーは届かず残留が決まった。契約は今季限りで満了を迎えるため、クラブはわずかな移籍金でも放出する構えだと報じられている。一方でセルティックはフリーでの獲得を狙っており、両者の駆け引きは続く見通し。
さらに、ロリアンやリール、バレンシアといったクラブも過去に関心を示しており、冬の移籍市場では再び争奪戦が起こる可能性がある。特にセルティックは欧州カップ戦の舞台を保証できるため、メリエにとって最も魅力的な選択肢となるだろう。
個人的な見解
イラン・メリエのキャリアは、早熟ゆえの苦悩を象徴している。20歳そこそこで正GKを任され、数々のセーブで脚光を浴びたが、その裏で精神的な成熟を待たずに重責を背負い続けた。
その結果、凡ミスが増え、信頼を失ったのは必然とも言える。しかし、まだ25歳。GKとしてはこれからが本当の全盛期を迎える年齢だ。
セルティック移籍は、彼にとって再生の舞台となり得る。国内リーグでの安定した出場機会と、欧州の舞台で再び名を轟かせるチャンス。
もしこの挑戦を成功させれば、彼は再び五大リーグの扉を叩くことになるだろう。逆に、この機会を逃せば、かつての「神童GK」は忘れられた存在となる危険もある。メリエの未来は、今まさに岐路に立っている。