プレミアリーグの移籍市場が水面下で動き始めるなか、アストン・ヴィラがリバプールGKクィービーン・ケレハーに熱視線を送っているようだ。エミリアーノ・マルティネスの去就に揺れるヴィラは、新たな守護神の確保を急いでおり、アイルランド代表守護神がそのリストに名を連ねているという。
現在26歳のクィービーン・ケレハーは、リバプールでアリソン・ベッカーのバックアップとして公式戦20試合に出場。ゴール前での安定感と冷静な判断力で高い評価を受けてきたが、より多くの出場機会を求める彼にとって、今夏の移籍は避けられない現実となりつつある。
アイルランド代表を率いるヘイミル・ハルグリムソン監督も、ケレハーのステップアップを後押し。「彼はプレミアリーグやチャンピオンズリーグといったトップレベルで実力を証明してきた。彼ほどのGKがベンチに甘んじるべきではない」とコメントし、定期的に出場できるクラブへの移籍を勧めている。
加えて、リバプールは今夏のGK補強として、すでに契約を結んでいるバレンシア所属のギオルギ・ママルダシュヴィリが本格的にチームに加わる。これによって、ケレハーの立場はさらに不透明となり、退団の機運が一層高まるだろう。
アストン・ヴィラ、マルティネス流出に備えケレハー獲得を検討か
アストン・ヴィラがケレハーに興味を示している背景には、守護神マルティネスの去就不安がある。アルゼンチン代表GKは昨夏にクラブと新契約を結んだばかりだが、ヨーロッパのビッグクラブやサウジアラビアのクラブから関心が寄せられており、新たな挑戦を求めて退団する可能性が高まっている。
シーズン最終戦後には、感極まった様子でサポーターに別れを告げるようなシーンも見られ、移籍を示唆するものとして報じられている。さらに、控えGKロビン・オルセンも契約満了で退団予定。スウェーデンへ帰国する見通しで、ヴィラはGK部門の再編を迫られている。
そのような状況のなか、英『i Paper』はアストン・ヴィラがマルティネスの後任候補としてケレハーを注視していると伝えており、移籍が実現すれば正GKとして即戦力となることが期待されている。
ケレハーを巡る争奪戦は、アストン・ヴィラだけにとどまらない。チェルシーとニューカッスル・ユナイテッドもリバプールGKに関心を寄せている。
チェルシーでは、現守護神ロベルト・サンチェスのパフォーマンスが物足りないとされ、ケレハーを有力な後任候補と見ている。ビルドアップ能力とショットストップを兼ね備えた彼は、ブルーズの守備陣に新たな安定感をもたらす可能性がある。
一方のニューカッスルも、負傷の多いニック・ポープの後継者探しに動いており、プレミアリーグで即戦力となるケレハーは理想的なターゲットとして評価されている模様だ。
今夏の移籍市場で注目を集めるクィービーン・ケレハー。正守護神としての座を求めて、新天地を選ぶ準備は整っている。アストン・ヴィラ、チェルシー、ニューカッスルというプレミア勢が名乗りを上げるなか、リバプールでのキャリアに一区切りをつける日はそう遠くないかもしれない。