プレミアリーグで独自路線を貫きつつ躍進を続けるブライトン&ホーヴ・アルビオンが、イタリア・セリエAのヘラス・ヴェローナに所属するディエーゴ・コッポラの獲得に向けて動き出したようだ。
移籍市場に精通するファブリツィオ・ロマーノ氏が報じたところによれば、すでに両クラブ間で初期交渉がスタートしており、今夏の移籍実現に向けて具体的な動きが水面下で進行中だという。
ディエーゴ・コッポラは、イタリア国内でも注目を集める20歳の若手センターバック。2024-25シーズンには、ヘラス・ヴェローナで公式戦33試合に出場し、2ゴールを記録。守備力だけでなくビルドアップ能力や試合の読みの鋭さが評価されており、イタリアU-21代表でも主力として名を連ねている。
その成熟したプレースタイルと冷静な対応力は、既に複数クラブのスカウト陣の目に留まっており、将来のイタリア代表入りも時間の問題と見られている。身長192cmの恵まれた体格と空中戦の強さを武器に、セリエAで着実に経験を積みながら成長を続けている。
ブライトンといえば、モイセス・カイセドやアレクシス・マック・アリスター、ベン・ホワイト、マルク・ククレジャといった逸材を“掘り出し”を発掘し、トップクラブへと送り出してきた実績がある。彼らはいずれも、比較的リーズナブルな移籍金で獲得され、その後は大きな移籍金で売却されている。
今回のコッポラへのアプローチも、まさにその戦略の延長線上にある。彼のポテンシャルは、クラブの未来を託すに値する大きな可能性を秘めており、早期に動くことでライバルクラブに先んじる構えだ。
最終ラインの層強化へ – ファン・ダンク&ファン・ヘッケの後継候補に
今季、ブライトンはルイス・ダンクとヤン・ポール・ファン・ヘッケのコンビを軸にセンターバックを構成してきたが、欧州カップ戦との並行や中長期的な視点を考慮すると、さらなる競争力のある守備陣の構築は急務。ディエーゴ・コッポラの加入は、単なるバックアップ要員ではなく、将来的にはレギュラー奪取すら視野に入る補強といえる。
『Transfermarkt』による市場評価では、コッポラの現在の市場価値は約700万ユーロと報じられており、クラブの財政的戦略に合致する“手頃で実現可能”なターゲットでもある。
とはいえ、エラス・ヴェローナとの契約は2027年夏まで残されており、同クラブが主力の放出に難色を示せば、交渉は一筋縄ではいかない可能性もある。今のところブライトン側は、移籍金の目安や選手側の意向を探る“予備交渉”を進めている段階だが、クラブが本格的に獲得に乗り出せば、数週間以内にもオファーが提示される可能性がある。
若くして経験値も持ち合わせたセンターバックの補強は、チームのバランスを大きく底上げするものになるだろう。ブライトンがふたたび先見の明を発揮し、セリエAから未来のディフェンスリーダーを引き抜くことができるのか。