リーベル・プレートの守備ラインに立つ21歳のセンターバック、ラウタロ・リベロ。その名は今、南米から欧州へと轟き、移籍市場の中心に浮上している。スペイン紙『Fichajes』の報道によれば、トッテナム・ホットスパーとアトレティコ・マドリードが彼の獲得に強い関心を示しており、両クラブの間で熾烈な争奪戦が展開されつつある。
リベロはリーベルの下部組織で育ち、2023年にトップチームデビューを果たした。以降、アルゼンチン・リーグで着実に経験を積み、2024/25シーズンには守備の中心として存在感を確立。空中戦の強さ、1対1での冷静な対応、そして後方からの組み立てに積極的に関与する姿勢は、すでに欧州トップクラブの基準を満たしていると評価されている。
契約は2028年12月まで残っており、リリース条項は1億ユーロに設定されている。『Transfermarkt』による市場価値は400万ユーロだが、リーベルは象徴的な存在として彼を手放す意思が薄く、獲得を狙うクラブには巨額の投資が求められる。
トッテナムとアトレティコ、補強戦略の交差点
トッテナムはトーマス・フランク監督の下で新たな時代を迎えている。2025/26シーズン序盤、プレミアリーグで上位を維持し、チャンピオンズリーグでも無敗を続けるなど、チームは確かな進化を遂げている。しかし守備陣の層は依然として課題であり、クリスティアン・ロメロに続く新たなアルゼンチン人センターバックとしてリベロを迎え入れることは、未来を見据えた戦略的補強となる。
一方、アトレティコ・マドリードはディエゴ・シメオネの哲学を体現する選手を常に探している。リベロの闘志、対人能力、そして冷静な判断力は、アトレティコの堅守速攻スタイルに完璧に適合する。さらに、スペイン語圏での適応のしやすさも、彼にとって大きなアドバンテージとなる。
さらに最新の報道によれば、ユヴェントスやRBライプツィヒもリベロの動向に関心を示しており、移籍市場はさらに複雑化する可能性がある。欧州複数クラブの競合によって、リーベルは交渉を有利に進められる立場にある。
ラウタロ・リベロのプレースタイルと可能性
リベロの最大の強みは、空中戦での圧倒的な存在感だ。185cmを超える体格を活かし、セットプレーでは攻守両面で脅威となる。また、現代的なセンターバックに求められる足元の技術も兼ね備えており、後方からのビルドアップに積極的に関与する姿勢は、欧州のトップクラブにとって大きな魅力だ。
さらに、彼の守備はフィジカル頼みではない。ポジショニングの正確さと冷静な判断力により、相手の攻撃を未然に防ぐ能力を持つ。アルゼンチン国内ではすでに「次世代の守備リーダー」と称されており、先日ついに代表デビューも飾った。
個人的な見解
ラウタロ・リベロを巡る移籍戦線は、クラブの未来像をどう描くかという哲学的な選択でもある。
トッテナムが彼を獲得すれば、ロメロと並ぶアルゼンチン人センターバックのコンビが誕生し、プレミアリーグ屈指の守備ラインを築く可能性がある。
対してアトレティコに加入すれば、シメオネの下で闘志をさらに研ぎ澄まし、欧州最高峰の守備者へと成長する道が開ける。
個人的には、リベロの冷静な判断力とフィジカルの強さはプレミアリーグの激しいテンポに適応できると考えている。
トッテナムが本気で動くなら、彼はロンドンで新たな伝説を築くかもしれない。ただし、リリース条項の高さを考えれば、交渉は長期戦になるだろう。
いずれにせよ、この移籍戦線は2026年に向けて最も注目すべきストーリーの一つになるはずだ。