サムエル・オモロディオンはポルトで圧倒的な存在感を放っている。2024年にアトレティコ・マドリードから完全移籍を果たした後、彼は瞬く間にクラブの攻撃の中心へと成長した。昨季は公式戦37試合で24ゴールを記録し、リーグ戦でも得点ランキング上位に食い込んだ。
そして今季はすでに公式戦9試合で8得点を挙げ、リーガ・ポルトガルでは7試合5ゴールと、開幕から高い決定力を維持している。
193cmの長身を誇る彼は、空中戦での強さはもちろん、裏へ抜けるスピードとフィニッシュの多彩さが際立つ。左足・右足を問わずゴールを狙える万能性に加え、ポストプレーで味方を活かす場面も増えており、単なる点取り屋ではなく攻撃全体を押し上げる推進力を備えている。
さらに、2024年パリ五輪での金メダル獲得、そして2025年のUEFAネーションズリーグ準優勝を経験したことで、国際舞台での経験値も積み上げている。スペイン代表としてもすでに3キャップを得ており、今後の代表チームの中核を担う可能性は極めて高い。
トッテナムが抱える前線の課題とオモロディオンの必要性
トッテナムはトーマス・フランク監督の下でプレミアリーグ序盤戦を好調に戦い、現時点で6位につけている。しかし、前線の不安定さは依然として解消されていない。ドミニク・ソランケは8月のマンチェスター・シティ戦以降、再び手術を受けて長期離脱中。リシャルリソンは慢性的なフィットネス問題を抱え、ランダル・コロ・ムアニも適応に苦しんでいる。
そのため、ファビオ・パラティチSDは復帰直後からストライカー補強を最優先課題に掲げ、オモロディオンをリストのトップに据えたと英『TBR Football』が報じている。契約は2029年まで残り、リリース条項は8700万ポンドと高額だが、ポルトの財政難が交渉の突破口になる可能性もある。
トッテナムにとってオモロディオンは、ソン・フンミンやハリー・ケイン退団後に失われた「試合を決めるストライカー」の座を埋める存在になり得る。オモロディオンが加われば、攻撃の軸が明確になり、チーム全体のバランスが劇的に改善されるだろう。
個人的な見解
サムエル・オモロディオンの移籍は、トッテナムにとってクラブの未来を左右する決断になると考えている。ケイン退団以降、スパーズは「誰がゴールを決めるのか」という問いに答えを出せずにきた。だが、オモロディオンはその問いに終止符を打てるだけの資質を備えている。
もちろん、8700万ポンドという金額はリスクを伴う。しかし、21歳でこれだけの完成度を誇るストライカーは市場にほとんど存在しない。
チェルシーやユヴェントスといったライバルも動いている今こそ、スパーズが本気で未来を託すべきタイミングだ。私自身、彼がロンドンの白いユニフォームに袖を通す姿を見たいと強く思う。
オモロディオンが加入すれば、トッテナムは再びプレミアリーグの頂点を狙えるチームへと進化するだろう。彼のゴールは、得点以上にクラブのアイデンティティを取り戻す象徴となるはずだ。
