マンチェスター・ユナイテッドがクリスタル・パレスのストライカー、ジャン=フィリップ・マテタ獲得に向けて本格的に動いている。英『The Daily Briefing』の報道によれば、ルベン・アモリム監督率いるユナイテッドは、今夏にベンヤミン・シェシュコを獲得したにもかかわらず、依然として前線の決定力不足に悩まされている。
シェシュコは加入直後の6試合で無得点と苦しんだが、直近では連続ゴールを記録し復調の兆しを見せている。しかし、クラブが欧州の舞台で再び存在感を示すためには、もう一枚の切り札が必要だと考えられている。
マテタは昨季、公式戦で17ゴール4アシストを記録し、パレスの攻撃を支えた。192cmを超える体格を活かした空中戦の強さに加え、足元の技術も向上しており、ポストプレーと裏への抜け出しを両立できる万能型ストライカーだ。フランス代表にも定着しつつあり、プレミアリーグでの経験値を含めて、ユナイテッドが求める「即戦力」としての条件をすべて満たしている。
マテタを巡る争奪戦と移籍の可能性
ユナイテッドだけでなく、トッテナムやニューカッスルもマテタに強い関心を示している。トッテナムはトーマス・フランク監督の下で攻撃陣の再編を進めているが、既存のストライカー陣が期待に応えられていない。
マテタが加入すれば、即座に攻撃の軸となる可能性が高い。ニューカッスルにとっても、アレクサンデル・イサクの後釜、あるいは負傷がちなヨアン・ウィサの代替として理想的な補強候補だ。
一方で、ユナイテッドには依然として「ビッグクラブの吸引力」がある。今夏にはマテウス・クーニャやブライアン・ムベウモを引き抜いた実績があり、マテタにとっても欧州カップ戦出場の可能性を含めた魅力的な選択肢となる。
マテタの市場価値は現在3200万ユーロ前後とされているが、実際の移籍金は4000万ポンド規模になると見込まれている。パレスとしても契約延長の見込みが薄い以上、適切なタイミングで売却する判断に傾く可能性が高い。
マテタのプレースタイルとユナイテッドへの適合性
マテタの特徴は、フィジカル頼みのストライカーではなく、現代的な万能性を備えている点にある。空中戦の強さはもちろん、相手ディフェンダーを背負いながらのポストプレー、味方を活かすラストパス、さらにはカウンター局面での推進力も兼ね備えている。
ユナイテッドの攻撃陣に不足しているのは、ゴール前での冷静さと勝負。チャンスを作り出しても、それを確実に仕留める存在がいなければ勝ち点は積み上がらない。マテタはその「最後の一押し」を担える人材だろう。
また、アモリム監督が志向する前線からのハイプレス戦術にも適応できる。パレス時代から守備への献身性を見せており、攻守両面でチームに貢献できる点は、ユナイテッドの再建において重要な要素となるだろう。
個人的な見解
ジャン=フィリップ・マテタの移籍は、ユナイテッドにとって攻撃の停滞を打破するピースになると考えている。
シェシュコの成長を待つだけでは、プレミアリーグや欧州の舞台で上位を狙うには不十分。マテタのようにプレミアで実績を積み、即座に結果を残せるストライカーを加えることで、チーム全体の攻撃力は飛躍的に向上するはずだ。
ただし、28歳という年齢を考えれば、投資の回収期間は限られている。ユナイテッドが本気でタイトルを狙うのであれば、マテタのような即戦力と、シェシュコのような将来性を併せ持つ布陣をどう共存させるかが鍵になる。
個人的には、マテタがオールド・トラフォードで「最後のピース」として輝く姿を見てみたい。彼のゴール前での冷静さと勝負強さは、停滞するユナイテッドに必要不可欠な要素だと確信している。
