マンチェスター・ユナイテッドはアトレティコ・マドリードのイングランド代表MFコナー・ギャラガー獲得に向けて本格的に動き出している。英『Football Insider』の報道によれば、ルベン・アモリム監督が1月の移籍市場での補強ターゲットとしてギャラガーをリストアップし、クラブ上層部に獲得を承認したという。
ギャラガーは2024年夏にチェルシーからアトレティコへ移籍したが、ディエゴ・シメオネの下で定位置を確保できず、今季もラ・リーガでの先発は限られている。契約は2029年まで残っているものの、プレミアリーグ復帰の可能性が高まっており、ユナイテッド、トッテナム、クリスタル・パレスが関心を寄せている。
アトレティコは移籍金として6000万ユーロを要求しているとされ、ユナイテッドが支払えるかどうかが焦点となる。夏の移籍市場ではローン移籍の打診が拒否されており、今回は完全移籍での交渉が前提となる。
ユナイテッドの中盤再建とギャラガーの役割
ユナイテッドがギャラガーを求める理由は明らか。カゼミーロはコンディションの波が激しく、マヌエル・ウガルテは守備面で奮闘しているものの、攻撃への推進力に欠ける。さらに、コビー・マイヌーはアモリムの下でブルーノ・フェルナンデスの控えに回っており、チーム全体として「走力と強度を兼ね備えた中盤」が不足している。
ギャラガーはその穴を埋める存在になり得る。彼の最大の強みは、90分間を通して落ちない運動量と、ボール奪取から前線への推進力を兼ね備えたプレースタイルにある。クリスタル・パレス時代にはリーグ戦8得点を記録し、チェルシーでも攻守両面で存在感を示した。ユナイテッドが求める「ハイエネルギー型MF」として、彼の特性はまさに理想的だ。
アモリムが好む4-2-3-1や3-4-3のシステムにおいても、ギャラガーはプレス強度を高めるキーマンとなり得る。ブルーノ・フェルナンデスの背後で守備を補完しつつ、攻撃時にはボックス内に飛び込む役割を担える点は、現在のユナイテッドに欠けている要素となる。
プレミアリーグ復帰の現実味と競合クラブの動き
ギャラガーの獲得にはユナイテッド以外にも複数のクラブが動いている。トッテナムはトーマス・フランク監督の下で中盤の強化を模索しており、クリスタル・パレスも古巣復帰を熱望していると報じられている。
ただし、資金力と選手のステータスを考えれば、ユナイテッドが最有力候補であることは間違いない。アトレティコが要求する6000万ユーロという金額は決して安くはないが、ユナイテッドは今夏にマテウス・クーニャやブライアン・ムベウモらに2億ユーロ以上を投じており、さらなる投資を厭わない姿勢を見せている。
個人的な見解
ギャラガーのユナイテッド移籍は、クラブにとって戦術的にも象徴的にも大きな意味を持つと考えている。
アトレティコで出場機会を得られずにいる現状は、選手にとってもクラブにとっても不完全燃焼の状態だが、プレミアリーグに戻ればそのエネルギーと献身性は再び輝きを放つはずだ。
ユナイテッドが抱える中盤の課題を考えれば、彼の加入は即効性のある補強となるだろう。
一方で、懸念点もある。ギャラガーは確かに走力とハードワークに優れるが、試合のリズムを掌握するタイプではない。
ユナイテッドが本当に必要としているのは、ゲームを支配できる中盤の支配者なのか、それともギャラガーのように強度で試合を変える選手なのか。この問いに対する答え次第で、補強の成否は大きく変わる。
私自身は、ギャラガーがユナイテッドに新たな息吹をもたらす可能性を強く感じている。彼のプレースタイルはオールド・トラッフォードの観客を熱狂させるだろうし、アモリムの戦術においても重要な駒となるはずだ。
もしこの移籍が実現すれば、ユナイテッドの中盤は再びプレミアリーグ屈指の強度を誇るユニットへと進化するに違いない。
