中盤の覇権を握る鍵はチュアメニ?リヴァプールがベルナベウにスカウト派遣

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中盤の覇権を握る鍵はチュアメニ?リヴァプールがベルナベウにスカウト派遣 Liverpool

サンティアゴ・ベルナベウで行われるエル・クラシコ。熱狂が予想される舞台裏で、リヴァプールのスカウトが静かに視線を送っていたのは、レアル・マドリードのフランス代表MFオーレリアン・チュアメニだ。

スペイン紙『Defensa Central』の報道によれば、リヴァプールはこの一戦を通じてチュアメニのパフォーマンスを徹底的に分析し、来る冬の移籍市場に向けた本格的なアプローチを開始する準備を進めているという。

2025年10月現在、リヴァプールはプレミアリーグで首位争いに絡みながらも、UEFAチャンピオンズリーグではガラタサライに敗れるなど不安定な戦いを見せている。特に中盤の守備的な安定感に課題を抱えており、アルネ・スロット監督はアンカーの補強を最優先事項としている。

チュアメニの特性とリヴァプールの戦術的接点

チュアメニは、187cmの体躯を活かした空中戦の強さと、ボール奪取能力に優れた守備的MFである。加えて、展開力にも秀でており、モナコ時代から“攻守のバランサー”として評価されてきた。

リヴァプールの現在の中盤構成は、ライアン・フラーフェンベルフがアンカーに回る形で機能しているものの、守備面での不安定さは否めない。遠藤航も起用されてはいるが、出場機会は限定的で、スロット監督が求める“高強度の守備と即時攻撃への切り替え”を担うには、さらなるクオリティが必要とされている。

チュアメニのような選手が加われば、リヴァプールの中盤は一気に厚みを増す。彼のポジショニングの巧みさ、インターセプト能力、そしてプレッシング耐性は、スロット体制の中核を担うにふさわしい資質だ。

移籍交渉の進展と遠藤航への影響

リヴァプールはチュアメニ獲得に向けて6000万ユーロを提示する構えであり、年俸も約16億円規模になると見られている。これはクラブとしても相当な投資であり、単なる補強ではなく“戦術の軸”としての位置づけを意味する。

一方で、レアル・マドリード側もチュアメニを売却可能な選手としてリストアップしているとの報道があり、マンチェスター・シティのロドリやチェルシーのエンソ・フェルナンデスを代替候補として検討しているという。

この動きは、日本代表MF遠藤航にとって厳しい現実を突きつける。今季はカップ戦中心の起用にとどまり、リーグ戦では出場機会が限られている。チュアメニが加入すれば、ポジション争いはさらに激化し、遠藤の序列は一段と下がることが予想される。

ただし、遠藤の経験値やリーダーシップはチームにとって貴重であり、チュアメニとの共存やローテーション起用の可能性も残されている。

今回のスカウト派遣は、リヴァプールがチュアメニに対して“本気で獲得を狙っている”ことを示す明確なサインだ。エル・クラシコという最高峰の舞台で選手のパフォーマンスを見極めるという行動は、具体的な評価と判断を下すためのステップである。

また、リヴァプールは昨夏にもスペイン代表MFマルティン・スビメンディの獲得を試みており、中盤の補強に対する執念は一貫している。その延長線上にチュアメニの名前が浮上していることは、スロット監督の戦術的ビジョンが明確であることを物語っている。

個人的な見解

リヴァプールがチュアメニに照準を定めた背景には、戦術の完成させるという明確な目的があると感じる。

スロット監督のフットボールは、ポゼッションとプレッシングの融合を志向しており、その中核を担うアンカーには、守備力だけでなく展開力と判断力が求められる。

チュアメニはその条件を満たす数少ない存在であり、彼の加入はリヴァプールの中盤を一段階上のレベルへと引き上げる可能性を秘めている。

もちろん、移籍金や年俸の規模からして、交渉は一筋縄ではいかない。だが、クラシコという舞台でスカウトを派遣し、選手の現在地を見極めようとする姿勢は、リヴァプールの本気度を如実に示している。

遠藤航にとっては厳しい局面だが、彼の持つ経験と精神力があれば、チュアメニとの共存も不可能ではない。冬の移籍市場が、リヴァプールの中盤に新たな風を吹き込むかどうか。

その答えは、もうすぐ明らかになる。