サラーの時代に終止符?リヴァプールが狙う“新たな右の主役”とは

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サラーの時代に終止符?リヴァプールが狙う“新たな右の主役”とは Liverpool

アンフィールドの右サイドに、変革の足音が響いている。リヴァプールはモハメド・サラーの後継者探しに本格着手し、その筆頭候補としてニューカッスル・ユナイテッドのアンソニー・ゴードンに照準を定めている。

英『Football Insider』の報道によれば、リヴァプールはゴードンとボーンマスのアントワーヌ・セメニョの両名を“メガマネー”での獲得候補としてリストアップしており、2026年夏の移籍市場を見据えた動きが加速している。

ゴードンの進化とリヴァプールの戦術的再構築

アンソニー・ゴードンは、今季プレミアリーグで最も注目すべきウインガーの一人だ。ニューカッスルでのプレーは、スピードスターの枠を超え、戦術的な成熟と決定力の向上を印象づけている。

2025-26シーズンのここまでで、ゴードンは公式戦10試合で4ゴール1アシストを記録。特にトランジション局面での推進力と、狭いスペースでもボールを失わない技術は、リヴァプールのスカウト陣を強く惹きつけている。

アルネ・スロット監督が志向するのは、ポジションに縛られない柔軟な攻撃ユニットだ。ゴードンのように左右両サイドでプレーでき、中央にも流動的に顔を出せる選手は、まさに理想的なピースだ。さらに、彼の守備意識の高さや、前線からのプレッシング能力も、スロットの戦術哲学に合致する。

ニューカッスル側は当然ながら高額な移籍金を要求する構えであり、契約も2026年まで残っている。しかし、リヴァプールは“ポスト・サラー”の象徴としてゴードンを迎え入れる価値があると判断しているようだ。実際、クラブはすでに内部でゴードンのフィット感や成長曲線を詳細に分析しており、獲得に向けた準備を着々と進めている。

サラーの現在地と、リヴァプールが描く未来像

33歳となったモハメド・サラーは、昨季プレミアリーグで29ゴール18アシストという驚異的な成績を残し、クラブのリーグ制覇に大きく貢献した。しかし、今季は開幕から調子が上がらず、ここまで13試合でわずか4ゴール3アシスト。チャンピオンズリーグのフランクフルト戦ではベンチスタートとなり、途中出場でも決定機を逃すなど、かつての圧倒的な存在感に陰りが見え始めている。

こうした状況を受け、リヴァプールはサラーとの契約延長交渉を急がず、むしろ“次”を見据えた動きを強めている。ゴードンやセメニョといったプレミアリーグで実績を積んだ若手ウインガーに注目するのは穴埋めではなく、攻撃陣の再構築に直結する。

スロット体制下のリヴァプールは、サラーのような“絶対的エース”に依存するのではなく、複数の選手が流動的に役割を担うスタイルへと舵を切っている。

この変化は、戦術面だけでなく、クラブの経営戦略にも直結する。サラーの高額な年俸や年齢を考慮すれば、今後の数年間での売却は現実的な選択肢となる。実際、英『FootballTransfers』によれば、サラーは今季終了後の退団を視野に入れており、クラブ側もそれを容認する方向で調整を進めているという。

個人的な見解

アンソニー・ゴードンの名前がリヴァプールの補強リストに挙がったことは、クラブの戦略的な転換を示す明確なメッセージだと感じる。

サラーという“レジェンド”の後を継ぐには、単に数字を残せる選手では不十分だ。戦術理解度、メンタリティ、そして何よりアンフィールドの空気に馴染むキャラクターが求められる。

その点で、ゴードンはプレミアリーグでの経験を積み、若さと野心を兼ね備えた理想的な候補だ。

ただし、獲得には相応のリスクも伴う。ニューカッスルは財政的にも売却を急ぐ必要がなく、交渉は難航が予想される。

さらに、ゴードン自身がリヴァプールのライバルであるエヴァートン出身であることも、ファン心理的には複雑な要素だ。

しかし、フットボールの世界において、過去の所属は未来の可能性を縛るものではない。

むしろ、ゴードンがアンフィールドでどんな物語を紡ぐのか。その期待こそが、今のリヴァプールに必要な“次の一歩”なのかもしれない。