アーセナルが描く未来図に、フランスの若き天才が浮かび上がっている。リールに所属する18歳のミッドフィールダー、アイユーブ・ブアディ。彼の名は今、欧州のスカウト網を騒がせている。プレミアリーグ解禁を迎えたばかりのこの逸材に対し、アーセナルは本格的なアプローチを開始した。
海外メディア『Africafoot』の報道によれば、アーセナルはマンチェスター・ユナイテッドやリヴァプール、さらにはレアル・マドリードといった欧州の強豪と並び、ブアディ獲得に強い関心を示している。市場価値はすでに3,000万ユーロに達し、年俸は27万ユーロ。契約は2027年夏まで残っているが、今冬にも動きがある可能性が高まっている。
アイユーブ・ブアディ…フランスが生んだ“空間支配者”
アイユーブ・ブアディは、フランス北部のサンリス出身。現在はリールに所属し、昨季はチャンピオンズリーグで10試合中7試合に先発出場。リーグ戦でも1,000分以上のプレータイムを記録しており、年齢を考慮すれば異例の抜擢だ。
ポジションは主に攻撃的ミッドフィールダーだが、中央でのプレーに加えて、ハーフスペースでの創造性とボールキャリー能力に長けている。メスト・エジルを彷彿とさせる視野の広さと、現代的なプレッシングにも対応できる運動量を兼ね備えており、「ジェネレーショナル・タレント」とまで評されている。
また、データ分析企業『SciSports』による評価では、将来的に世界トップクラスの選手になり得るポテンシャルを持つとされており、技術・判断力・フィジカルのバランスが極めて高水準であることが示されている。
彼のプレーには、単なる技巧派では終わらない試合のテンポを操る力がある。ボールを持った瞬間に空間を読み取り、最適な選択肢を瞬時に導き出すその能力は、すでに成熟したトッププレイヤーのそれに近い。18歳という年齢を忘れさせるほどの冷静さと創造性が、彼を特別な存在にしている。
アーセナルの中盤再編とブアディの未来設計
アーセナルは今夏、マルティン・スビメンディを獲得し、ジョルジーニョとトーマス・パーティの退団によって空いた5,500分のプレータイムを埋める作業に着手した。さらにクリスティアン・ノアゴーも加わり、経験値と安定感は確保されたが、若く爆発力のある才能はまだ不足している。
その中でブアディは、まさに未来への投資として理想的な存在。アーセナルはすでにスカウトを派遣し、リールでのプレーを綿密にチェックしている。また、他クラブに比べて交渉面で優位に立っているとの情報もあり、今冬の獲得に向けて本格的な動きが始まっている。
ブアディ自身も、出場機会と育成環境を重視しており、アーセナルの若手育成方針やプレースタイルは魅力的に映っている可能性が高い。仮に加入すれば、スビメンディやデクラン・ライスといった中盤の主軸と共に、数年後にはプレミアリーグ屈指のユニットを形成することも夢ではない。
さらに、彼のプレースタイルはミケル・アルテタの戦術にもフィットする。ポゼッションを重視し、中央での創造性を求めるアーセナルにとって、ブアディのようなライン間で輝ける選手は貴重な存在だ。彼がエミレーツの芝を駆ける日が来れば、それはクラブの哲学と未来像を体現する一手となる。
個人的な見解
アイユーブ・ブアディの獲得は、アーセナルにとって未来を託す決断になる可能性がある。スビメンディやノアゴーという即戦力を揃えた上で、ブアディのような爆発力ある若手を加えることで、中盤の厚みと多様性は格段に増す。
特に注目すべきは、彼の“プレッシャー下での判断力”と“空間認識能力”だ。これは、プレミアリーグの高速展開において極めて重要な要素であり、アーセナルのポゼッション志向にもフィットする。
また、ブアディの獲得は、クラブの育成力とビジョンを示すシグナルにもなる。ファンにとっても、彼のような若き才能が加わることは胸躍るニュースになり得る。
今冬の移籍市場は、アーセナルにとって未来を掴むチャンスであり、ブアディの獲得が実現すれば、それは数年後のタイトル獲得に繋がる可能性すら秘めている。