マンチェスター・ユナイテッドはブレントフォードのウクライナ代表MFイェホル・ヤルモリュク獲得に強い関心を示している。英『TEAMtalk』が報じているように、ユナイテッドは来夏の移籍市場で中盤の補強を最優先課題に掲げており、その筆頭候補がヤルモリュクのようだ。
ブレントフォードは彼をチームの未来を担う存在と位置づけており、簡単に手放すつもりはない。しかし、クラブ関係者は「3000万ポンド前後のオファーが届けば交渉に応じる可能性がある」と示唆している。これは、ブライトンのカルロス・バレバに対して提示されている評価額よりも低く、コスト面でユナイテッドにとって魅力的な選択肢となっている。
さらに、チェルシーやトッテナムも獲得レースに参戦しており、来夏の移籍市場では熾烈な争奪戦が予想される。特にトッテナムはトーマス・フランク監督がブレントフォードとの強いコネクションを持っており、交渉に影響を与える可能性があると報じられている。
ヤルモリュクのプレースタイルとユナイテッドへの適合性
ヤルモリュクは21歳ながら、すでにプレミアリーグで確かな存在感を放っている。彼のプレースタイルを一言で表すなら「守備的強度と攻撃の推進力を兼ね備えたモダンなセントラルMF」だ。
1試合平均のタックル数やインターセプト数はブレントフォード内でも上位に位置し、相手の攻撃を未然に防ぐ能力に優れている。
だが、彼の真価は守備だけではない。ボール奪取後に素早く縦へ展開する判断力と、前線へ鋭いパスを通す技術は、ユナイテッドが長らく欠いてきた「攻守の切り替えの速さ」を補うものだ。
今季のユナイテッドはプレミアリーグで15位に終わった昨シーズンから大幅に改善。現時点ではアーセナルが抜きに出ているものの、2位マンチェスター・シティまで勝ち点差2につけている。
刷新した前線とは別で、カゼミーロやブルーノ・フェルナンデスら主力の年齢も高くなっており、世代交代は喫緊の課題となっている。ルベン・アモリム監督が志向するダイナミックなポゼッションサッカーを成立させるには、ヤルモリュクのように守備と展開力を兼ね備えた選手が不可欠。
また、彼はウクライナ代表として国際舞台でも経験を積み始めており、精神的な成熟度も高い。若さと経験のバランスを兼ね備えた存在は、ユナイテッドの再建において理想的なピースとなるだろう。
個人的な見解
ヤルモリュクの獲得は、中盤の空洞を埋めるだけでなく、チーム全体の戦術的なバランスを整える存在になり得る。
彼のような選手が加われば、ユナイテッドは攻守の切り替えでプレミアリーグ上位クラブと互角に渡り合えるようになるだろう。
もちろん、ブレントフォードが簡単に手放すとは思えない。だが、ユナイテッドが本気で再建を進めるのであれば、3000万ポンドという投資は決して高すぎるものではない。
むしろ、バレバのように高額な移籍金を必要とする選手と比較すれば、費用対効果の高い補強になる。
個人的には、ヤルモリュクがオールド・トラッフォードのピッチに立つ姿を見たいと思う。彼のプレースタイルはユナイテッドの課題を解決するだけでなく、クラブに新たなアイデンティティをもたらす可能性を秘めている。
来夏の移籍市場で彼を獲得できるかどうかは、ユナイテッドの未来を占う試金石になるはずだ。
