プレミアリーグで苦戦を強いられているマンチェスター・ユナイテッド。その再建に向けて選手整理が加速する中、スペインの名門アトレティコ・マドリードが新たなターゲットとしてブラジル代表FWアントニーに熱視線を送っている。
当初、アトレティコはユナイテッドの新星アレハンドロ・ガルナチョに強い関心を寄せていた。だが、7700万ユーロという法外な移籍金が設定され、若きアルゼンチン代表アタッカーの獲得は現実的ではないと判断。結果として、獲得可能性の高いアントニーに方針転換した模様だ。
西『Football Espana』によると、アトレティコがすでに約4000万ユーロの初期オファーを提示したともされ、交渉のテーブルに着く準備を進めているという。
2025年1月にレアル・ベティスへ期限付き移籍を果たしたアントニーは、ラ・リーガで見事に復活。これまでに8ゴール5アシストと躍動し、その才能が再評価されつつある。かつてエリック・テン・ハフ前監督の希望でアヤックスから9500万ユーロで加入した高額移籍の“失敗例”とされたが、ここに来て市場価値を再び高めている。
そんな状況を受けて、アーセナルやバルセロナ、ユヴェントスといった欧州の強豪クラブも獲得レースに参戦。レアル・ベティスは再レンタルを希望しているものの、完全移籍を望むユナイテッドの意向とは食い違いがある。
ユナイテッドは完全移籍を希望…最大5000万ユーロを要求か
ユナイテッドは、財政面の立て直しとチーム刷新を進めるイネオスグループの方針により、アントニーを完全移籍で放出する構え。報道によれば、最大5000万ユーロの移籍金を求めており、ローンによる再放出の可能性は現時点で低いとされる。
一方のアトレティコは、すでにアントニーの代理人とも接触。今夏の本格交渉を視野に入れており、選手本人との合意形成も含めて動き始めているという。ディエゴ・シメオネ監督は、アントニーに加えガルナチョ獲得にも関心を持っていたが、前述の通り後者は予算的に厳しいと判断されたようだ。
チェルシーやナポリもガルナチョに関心を示している一方で、アトレティコはコストパフォーマンスと即戦力性を重視し、アントニーを最優先ターゲットと位置づけた可能性が高い。
プレミアリーグで伸び悩んだアントニーが、ラ・リーガでの復活を機にどのクラブへステップアップを果たすのか。また、ユナイテッドがいかにして彼の移籍から資金を回収するのかも、夏の移籍市場における一つの焦点となる。