サイドを切り裂くドリブル、ゴール前での冷静なフィニッシュ、そして試合を決定づける存在感。セルジュ・ニャブリの名前が再び移籍市場を騒がせている。バイエルン・ミュンヘンでプレーする30歳のドイツ代表ウィンガーは、リヴァプールとユヴェントスの両クラブから熱視線を浴びている。
イタリアメディア『La Gazzetta dello Sport』の最新報道によれば、プレミアリーグの資金力を背景にリヴァプールが優位に立つ一方、ユヴェントスも2026年夏のフリー移籍を見据えて交渉を進めている。
リヴァプールが描くニャブリの未来像
リヴァプールがニャブリに注目するのは至極当然。アルネ・スロット監督の戦術において、サイドからの推進力と得点力は不可欠であり、モハメド・サラーの後継者ないし負担を減らす控え右ウィンガーを探す動きは以前から続いている。
ニャブリは今季ブンデスリーガで9試合4得点3アシストを記録し、依然として高いパフォーマンスを維持している。さらに、ドイツ代表として55キャップ24ゴールを積み上げており、国際舞台での経験値も申し分ない。
ニャブリの給与要求がセリエAクラブにとって負担となる可能性が指摘されている。プレミアリーグの放映権収入を背景にしたリヴァプールの資金力は、交渉を有利に進める大きな武器となる。
契約は2026年夏まで残っているが、バイエルンとの関係は揺らぎ始めており、移籍市場での動きが現実味を帯びてきた。
スロットがニャブリを獲得すれば、右サイドでサラーの後継者として起用するか、左サイドでコーディ・ガクポと競争させるか、戦術的な選択肢は広がる。爆発的な推進力と得点力を持つ彼の加入は、リヴァプールに新たなダイナミズムをもたらすだろう。
ユヴェントスの挑戦と移籍市場の構図
一方、ユヴェントスもニャブリ獲得に強い関心を示している。ユヴェントスは2026年夏に向けて複数のフリーエージェント獲得を狙っており、その中にニャブリの名前も含まれている。マイク・メニャンやメーメト・ゼキ・チェリクと並び、攻撃の切り札としてニャブリをリストアップしているのだ。
しかし、セリエAの財政状況を考えれば、ニャブリの高額な給与を満たすのは容易ではない。リヴァプールが提示できる条件と比較すれば、ユヴェントスは資金面で劣勢に立たされる。リヴァプールが1月の移籍市場で正式な契約オファーを提示できる立場にあることを強調している。
それでも、ユヴェントスがニャブリを獲得できれば、セリエAにとって大きな復権の象徴となる。インテルやミランとの競争を制し、ヨーロッパの舞台で再び存在感を示すための一手となるだろう。
個人的な見解
セルジュ・ニャブリの移籍話は、ヨーロッパサッカーにおける資金力の差を鮮明に映し出している。リヴァプールはプレミアリーグの莫大な収益を背景に、選手の給与や移籍金で他リーグを圧倒できる。その現実が、ユヴェントスのような伝統的強豪クラブを苦境に追い込んでいる。
ニャブリがリヴァプールに加入した場合の戦術的インパクトだ。サラーの後継者として右サイドを担うのか、あるいは別のポジションで起用されるのか。
いずれにせよ、彼の爆発的な推進力と得点力はスロットのチームに新たなダイナミズムをもたらすだろう。
ユヴェントスがこの争奪戦を逆転する可能性は低いが、もし成功すればセリエAにとって大きな復権の象徴となる。今後数か月の動きは、ヨーロッパサッカーの勢力図を揺るがすかもしれない。
リヴァプールが彼を迎え入れれば、サラーの控えだけではなく、後継者問題を少しの期間先送りできるかもしれない。
逆にユヴェントスが成功すれば、セリエA全体の競争力を押し上げる可能性がある。どちらの選択肢も、ヨーロッパサッカーの流れを変える力を秘めている。
