アムステルダムのヨハン・クライフ・アレナで行われたチャンピオンズリーグ、ガラタサライ対アヤックスの一戦は、スコア以上に多くのクラブの視線を集めた試合だった。
3-0で勝利したガラタサライの右サイドバック、ウィルフリード・シンゴのパフォーマンスは、マンチェスター・ユナイテッドのスカウト陣を強烈に魅了したとトルコ紙『Sabah』が報じている。ユナイテッドはこの試合を現地で視察し、シンゴの攻守両面における存在感を高く評価した。
シンゴは今季、ガラタサライの右サイドを支配するようなプレーを見せている。スプリント力とフィジカルの強さを兼ね備え、攻撃時には縦への推進力で相手を切り裂き、守備時には冷静な読みとタックルで相手の突破を阻止する。
アヤックス戦では90分間を通じて集中力を切らさず、パス成功率92%、ビッグチャンス創出1回と、数字でもその安定感を証明。この試合を皮切りに、ユナイテッドは彼を2026年に向けた守備再建計画の重要なピースとして真剣に検討している。
プレミアリーグの争奪戦とシンゴの価値
ユナイテッドが注目するのは彼だけではない。アーセナルやリヴァプールも同様にシンゴをスカウトしており、プレミアリーグの複数クラブによる争奪戦がすでに始まっている。さらに、アストン・ヴィラやチェルシーまでもが関心を示していると報じられており、彼の市場価値は急速に高まっている。
契約には5300万ポンドの解除条項が設定されており、ガラタサライが簡単に手放す可能性は低いが、ヨーロッパの舞台で継続的に結果を残せば、1月の移籍市場で正式なオファーが飛び交うことは避けられないだろう。
シンゴはモナコから今夏にガラタサライへ加入したばかりで、移籍金は約2700万ポンド。わずか数か月でその評価額を倍以上に引き上げた背景には、彼のユーティリティ性がある。
右サイドバックを本職としながらも、センターバックとしても起用可能で、戦術的柔軟性を提供できる点は、守備の再構築を急ぐユナイテッドにとって大きな魅力的。
現在のユナイテッドはリーグ戦で失点数が多く、守備の安定性が課題となっている。シンゴのような選手が加われば、右サイドの強化だけでなく、全体の守備バランスを改善する可能性がある。
個人的な見解
ウィルフリード・シンゴのアヤックス戦でのパフォーマンスは確かに目を引いたが、それ以上に彼のプレースタイルは現代的なフルバック像を体現している。
スピードとフィジカルに加え、戦術理解度の高さが際立ち、攻守の切り替えにおいても抜群の安定感を見せる。ユナイテッドが彼をターゲットにするのは必然であり、今後の欧州舞台でのパフォーマンス次第では、冬の移籍市場で大きな動きが起こるだろう。
私自身の見立てでは、シンゴはプレミアリーグで即戦力となり得る選手だ。特にユナイテッドの右サイドは近年不安定さが目立ち、現有戦力の起用法に揺らぎがある。
そこにシンゴが加われば、守備の安定と攻撃の推進力を同時に手に入れることができる。問題は競合クラブとの争奪戦だが、ユナイテッドが本気で守備再建を進めるならば、5300万ポンドという投資は決して高すぎるものではないだろう。
