23歳の右サイドバック、ティノ・リヴラメントの名前が再び移籍市場を賑わせている。イギリスメディア『The United Stand』に出演したベン・ジェイコブズ記者によれば、マンチェスター・ユナイテッド内部には彼の多才さを高く評価する声があり、特にディレクター・オブ・フットボールのジェイソン・ウィルコックスが旧知の関係を持つことから関心を寄せているという。
しかし、現時点でユナイテッドの動きは具体的な交渉に至っていない。一方で、マンチェスター・シティは2026年に向けてリヴラメント獲得に最も強い意志を示しているとジェイコブズ氏は明かした。
ニューカッスルにとって、この状況はクラブの未来を左右する重大な局面。新たに就任したスポーティング・ディレクターの最初の任務は、リヴラメントに新契約を結ばせること。現行契約は2028年まで残っているが、シティの強い関心が続けば、選手の意思を固めるためにも早期の延長交渉が不可欠となる。
ニューカッスルとマンチェスター勢の駆け引き
リヴラメントはサウサンプトンからニューカッスルへ移籍後、右サイドバックとしてだけでなく、左サイドやウイングバックでもプレー可能な柔軟性を示してきた。
プレミアリーグにおいて、攻守両面でバランスを取れるフルバックは希少価値が高く、彼の存在は戦術的な幅を広げる。特にエディ・ハウ監督の下で、リヴラメントは守備の安定と攻撃参加の両立を実現し、チームの躍進に貢献している。
マンチェスター・シティの関心は既に顕在化している。ペップ・グアルディオラの戦術において、サイドバックは単なるサイドの守備者ではなく、中盤に絞ってビルドアップを支える役割を担う。
カイル・ウォーカーの後継者を探すシティにとって、リヴラメントの適応力は理想的な資質だ。さらに、彼の年齢はクラブの長期的なプランに合致しており、2026年を見据えた補強戦略の中心に据えられている。
一方、マンチェスター・ユナイテッドは右サイドバックにディオゴ・ダロトやアマド・トラオレらウィングバックを抱えているが、攻撃面での厚みを増すために新たな選手を求めている。
ウィルコックスがリヴラメントを評価していることは事実だが、現段階ではシティほどの積極性は見られない。ユナイテッドが本格的に動くかどうかは、今後のシーズンの成績や既存選手のパフォーマンス次第だろう。
ニューカッスルにとっては、リヴラメントを手放すことはクラブの競争力を大きく削ぐリスクを伴う。新SDが契約延長を最優先課題に掲げるのは当然であり、選手本人にクラブの未来を託す強いメッセージを送る必要がある。
個人的な見解
シティの補強戦略は常に先を見据え、既存戦力の衰えを補う形で若手を取り込む。今夏退団したウォーカーの後継者としてリヴラメントを狙うのは理にかなっており、もし実現すればシティの右サイドは再び盤石なものとなるだろう。
一方で、ニューカッスルが彼を守り抜けるかどうかはクラブの本気度を示す機会となる。リヴラメントは単なる有望株ではなく、既にプレミアリーグで結果を残している選手だ。
彼を長期的にチームに組み込むことができれば、ニューカッスルはトップ4を狙う現実的な力を維持できる。逆に、シティやユナイテッドに奪われれば、クラブの成長曲線は大きく揺らぐ可能性がある。
個人的には、リヴラメントのプレースタイルはシティの戦術に完璧にフィットすると考えている。だが、ニューカッスルが彼を中心に据えたチーム作りを進める姿も見てみたい。どちらの選択肢もプレミアリーグをさらに面白くする要素であり、ファンとしてはこの駆け引きの行方を楽しみにせざるを得ない。