セントラル・ロンドンの夜空の下、クリスタル・パレスのキャプテン、マルク・グエヒは未来を決断する岐路に立っている。
25歳のイングランド代表センターバックは、この夏にリバプール移籍が目前まで迫りながらも破談となった。しかし今、彼の行き先はほぼ定まった。
複数の報道によれば、リバプールはグエヒ獲得を「ほぼ完了」させており、レアル・マドリードは関心を否定、バルセロナは来夏のフリー移籍を待つ構えを見せている。
リバプールが描く守備再建の未来
アルネ・スロット監督の下で新たな時代を迎えたリバプールは、攻撃陣の刷新に成功したものの、守備の安定には課題を残している。イブラヒマ・コナテの契約問題やジョー・ゴメスの負傷癖が続き、34歳DFフィルジル・ファン・ダイクの存在感に依存する構図が鮮明になっている。
今季のデータはその脆さを示す。プレミアリーグでの空中戦勝率は昨季より低下し、セットプレーからの失点数も増加。グエヒはその弱点を補う存在として理想的。
対人守備での勝率が70%を超え、ポジショニングの冷静さとビルドアップ能力を兼ね備えている。パス成功率は85%以上を維持し、後方からの展開力も評価されている。リバプールが求める「守備の安定と攻撃の起点」を同時に提供できる選手であり、彼の加入はチーム全体のバランスを再構築する契機となる。
クリスタル・パレスの苦渋の選択
英『Sky Sports』によれば、グエヒはクラブに契約延長を拒否した意思を伝えている。パレスは来夏にフリーで失うリスクを避けるため、冬の移籍市場で売却を検討せざるを得ない。キャプテンを失うことは精神的支柱を失うことに等しく、クラブにとって痛恨の決断となる。だが、財政的な現実と選手の意思が交錯する中で、選択肢は限られている。
バルセロナとレアル・マドリードもグエヒに関心を寄せてきたが、最新の報道では温度差が明確になっている。レアルは関心を否定し、バルセロナは来夏のフリー移籍を狙う姿勢を崩していない。財政難に直面するバルセロナにとって、移籍金ゼロで獲得できる逸材は魅力的だが、即戦力を欲するリバプールに比べれば動きは鈍い。
重要なのは、グエヒ自身がリバプール行きを望んでいるという点。夏に破談となった悔しさを抱えながらも、彼はアンフィールドでの挑戦を選んだ。キャリアのピークを迎える25歳にとって、プレミアリーグ王者の一員として欧州の舞台で戦うことは、代表での地位をさらに確固たるものにする。
個人的見解
グエヒの移籍は、リバプールにとって守備の再構築を意味する。ファン・ダイクの後継者を探す作業は数年続いてきたが、グエヒはその答えに最も近い存在。彼の冷静さとリーダーシップは、若手選手の多い守備陣を引き締め、チーム全体の安定感を高めるだろう。
一方で、クリスタル・パレスにとっては痛恨の放出となる。キャプテンを失うことはチームの精神的支柱を失うことに等しい。
しかし、契約満了を前にした現実的な選択肢は限られている。リバプールが動けば、グエヒの意思とクラブの事情が一致し、移籍は必然の流れとなる可能性が高い。
私の見立てでは、リバプールが冬に獲得へ踏み切る確率は極めて高い。ラ・リーガ勢が待ちの姿勢を崩さない限り、グエヒはアンフィールドの赤いユニフォームに袖を通すだろう。そしてその瞬間、リバプールの守備は新たな時代へと踏み出す。
