マンチェスターの空を切り裂くような歓声の中で、ペップ・グアルディオラは次なる中盤の支配者を探している。彼の視線の先にいるのは、レアル・マドリードのフェデリコ・バルベルデ。
27歳のウルグアイ人は、走力、戦術理解、そして試合を決定づける冷静さを兼ね備え、今季もラ・リーガとチャンピオンズリーグで存在感を放ち続けている。
シティが求める中盤の完成形
2025/26シーズン、シティはプレミアリーグでリヴァプールに勝ち点差をつけられ、追走を強いられている。ロドリの負傷とコンディション不安が続く中、ペップは中盤の安定と柔軟性を渇望している。バルベルデはその理想像に適応する。
今季ラ・リーガで12試合に出場し、3アシストを記録。平均走行距離は依然としてトップクラスで、守備面ではボール奪取能力、攻撃面では展開力を発揮している。右サイドからの推進力は、シティのポジションレス・フットボールにおいて大きな武器となる。
スペイン紙『Fichajes』は、シティがバルベルデを “最も完成された選手” と見なし、獲得に強い意欲を示していると報じている。シティは7000万ユーロ規模のオファーを検討しているが、バルベルデの契約には10億ユーロの解除条項が設定されており、現実的には極めて難しい。
レアル・マドリードの葛藤：ヴィニシウスとハーランド
一方で、レアル・マドリードはヴィニシウス・ジュニオールの契約問題に揺れている。契約延長交渉は完全に破綻し、クラブは1億5000万ユーロの移籍金を設定した。シャビ・アロンソ新監督との関係悪化もあり、退団の可能性が高まっている。
この不安定な状況の中で浮上するのが、アーリング・ハーランド獲得構想。海外メディア『FootballTransfers』は、レアルがヴィニシウスとロドリゴを合わせて3億5000万ユーロで売却し、その資金をハーランド獲得に充てる可能性を報じている。
この構図の中で、バルベルデが交渉材料として浮上している。レアルがハーランド獲得費用を抑えるためにバルベルデを含める可能性を示唆している。しかし、彼はクラブの中核であり、ペレス会長が手放す意思を示す可能性は低い。
契約は2029年まで残っており、今季もラ・リーガで高いパフォーマンスを維持している。シティが資金力で勝負を仕掛けても、マドリードが首を縦に振る可能性は限りなく低い。
個人的見解
私の見立てでは、バルベルデの移籍は極めて難しい。レアル・マドリードはヴィニシウスの契約問題とハーランド獲得構想に集中しており、バルベルデを放出する余地はない。
ただし、移籍市場は常に予測不能だ。ヴィニシウスが退団し、ハーランド獲得が現実味を帯びれば、バルベルデを交渉材料にする可能性はゼロではない。
シティが提示する巨額オファーと選手自身のキャリアビジョンが重なった時、移籍市場は突如として動き出す。
私の予測では、2026年夏に再びバルベルデの名前が大きな話題となる可能性が高い。ペップが描く中盤再構築の未来図に、バルベルデが組み込まれる瞬間が訪れるかもしれない。